地方の学校で相談員をシェア カタリバがチャット相談窓口

地方の学校で相談員をシェア カタリバがチャット相談窓口
地方自治体や学校で相談員をシェアするチャット相談窓口の「ブリッジ」の画面イメージ(カタリバ提供)
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 子どもの心のSOSに円滑に対応するため、地域に密着した教育支援や不登校児童生徒の支援などを展開しているNPO法人のカタリバは9月21日、石川県加賀市や佐賀県の東明館中学校・高等学校と連携し、カタリバの相談員に子どもが匿名相談できるチャット相談窓口「ブリッジ」をオープンしたと発表した。地方にある複数の学校で相談員をシェアすることで、子どもの悩みに対応する相談員不足の問題を解消し、早期支援につなげる狙いがある。

 カタリバでは2021年から、子育てや家庭状況などの悩みを抱えている保護者が利用できるオンライン相談窓口「カタリバ相談チャット」をスタートしており、SNSのLINEから精神保健福祉士や元教員などが、子どもの不登校や子育て、DV被害などの相談に乗っている。

 また、加賀市では22年11月からカタリバと連携し、不登校の子どもの支援策を検討してきたが、スクールソーシャルワーカー(SSW)などの人材が十分にいないという課題を抱えていた。

 そこで、カタリバは「カタリバ相談チャット」のリソースやノウハウを活用し、不登校が増えるとされる9月から加賀市で「ブリッジ」を開設。日常的に子どもが相談できる環境整備の必要性を感じていた東明館中学校・高校も10月から参加することになった。

 「ブリッジ」は、子どもたちが利用しているGIGAスクール端末や私用のデバイスを使って、子どもや保護者から相談を受け付ける。匿名で登録でき、LINEのチャットでカタリバの相談員とやりとりができる。24時間いつでもメッセージは受け付けるが、返信は日中時間帯に限られる。

 悩み相談を受ける中で何らかの支援が必要と判断した場合は、自治体などの支援機関につないだり、緊急性が高い場合は警察などと連携し、未然防止を目指したりすることもあるという。

 「ブリッジ」は経産省の「未来の教室」実証事業に採択されている。カタリバでは今後、参加する自治体や学校を広げていく考え。

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