女子が理系に進学するために重要なのは、「得意な理系科目があること」よりも「理系進学・就職にメリットを感じること」――。大学で理工系学部を選ぶ女子の割合が少ない実態を受け、(公財)山田進太郎D&I財団がデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーと共に行った調査結果がこのほど、公表された。理系進学・就職にメリットを感じるには、中高時代の職業体験やプログラミングなどの「理系体験」が重要であることも示された。
アンケート調査は大学1・2年生の女子520人(文系278人、理系242人)を対象に、今年6月に行われた。その結果、文系進学者では、理系進学・就職にメリットを感じる学生の割合が理系進学者の3分の1以下にとどまり、ここに女子の理系進学に大きな影響を与える障壁があることが示唆された。
さらに、理系進学・就職にメリットを感じるためには、中高時代の職場体験、研究機関・大学・企業の職場見学やインターンシップ、プログラミングなど、何らかの形で自身が将来、理系職業に就くイメージが持てるような体験機会や、保護者を含めプラスの影響をもたらす理系のロールモデルが影響していることが分かった。
文系に進学した学生に、理系に進学しなかった理由を複数回答で尋ねたところ、最も多かったのは「教科・成績に関すること(苦手/嫌いな教科があるなど)」(50.0%)で、次いで「興味・関心(理系分野に関連した興味、理系に関連した夢や目標がない)」(36.0%)、「スキルに関すること(言語や文化、歴史などの知識、実生活で役立つスキルが身に付かない)」(18.0%)だった。