「試合に出られなかった」「引退試合で、1回戦で敗退した」――。不完全燃焼のまま部活動を引退した中学3年生のためのバスケットボール大会「ラストワンカップ」が9月24日、福岡県の複合施設、ベイサイドプレイス博多で開催された。バスケットボール部を引退した中学3年生150人が集まり、部活動ではかなわなかった完全燃焼に向けて汗を流した。
学校の部活動では生徒によっては3年間試合に出られなかったり、出場できたとしても短時間だったりと、悔しい思いを抱えて引退する生徒が少なくない点に着眼し、同大会は企画された。
当日はそうした不完全燃焼のまま部活動を引退した中学3年生150人が集まり、男子17チーム、女子6チームに分かれ、熱戦を繰り広げた。ルールは「参加者全員がコートに立つ」。参加した生徒からは、「引退試合では1回戦で負けて消化不良だったけれど、吹っ切れた」などと笑顔がこぼれたという。さらに県内のプロバスケットボールチーム選手も試合に参加し、プレーする生徒を盛り上げた。
同施設ではコロナ禍の2021年から野外のスペースを活用し、県内の中学校や高校の吹奏楽部などが演奏を披露できる機会を提供。部員や保護者から好評を得ている。それを踏まえ、今春に新設したバスケットボールコートを活用して中学生を応援しようと企画した。
担当者は、「定員を超えても申し込みが相次いで反響の高さに驚いた。来年は2日間にわたり実施するなど、毎年の開催に向けて計画したい」と話した。(板井海奈)