学校のバリアを探すワークショップ 児童の声を改修に反映

学校のバリアを探すワークショップ 児童の声を改修に反映
車椅子ユーザーの横浜国立大学の教員と校舎内で困る場所について意見を交わす児童ら
【協賛企画】
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 障害など合理的配慮の必要な子どもの受け入れ体制の構築に向けて、児童生徒の意見を反映させようと、横浜国立大学附属学校で、障害の有無にかかわらず誰もが過ごしやすい学校について、児童生徒が考えるワークショップが始まった。9月28日には、同附属横浜小(小松典子校長、児童631人)で最初のワークショップが行われ、障害のある人の話を聞きながら、4、5年生の児童が校内のどんな場所にバリアがあるかを探った。ワークショップで出された子どもたちの意見は、来年度以降の学校施設の改修工事などに反映されるという。

 同学附属学校では合理的配慮が必要な児童生徒の入学に対応するため、施設の改修などを進めている。同学ではその一環として、日本財団の協力の下、児童生徒自ら学校の不便なところを見つけ、誰もが過ごしやすい学校について提案するワークショップを企画。年内に同附属横浜小で計3回、同附属横浜中で計4回のワークショップが予定されている。

 この日、同附属横浜小で希望する約50人の4、5年生の児童が参加した1回目のワークショップでは、共生社会の実現を担う次世代育成プロジェクトに取り組む同学D&I教育研究実践センターの教員らが講師となり、バリアフリーの観点で同小が抱えている課題を発見する活動が行われた。児童らは事前に提出していた学校の自慢できるところや変えていきたいところなどを共有した後、障害のある人が学校生活の中でどんなことに困るのかを語ったインタビュー動画を視聴。その後、実際に校舎の中を巡りながら、障害のある人が困りそうな場所を見つけていった。教室の中で車椅子が通れるようにするには、どんな机の配置にすればいいかを考えたり、校舎の中には多くの場所で点字ブロックが設置されていないことに気付いたりする姿がみられた。

 ワークショップに参加した4年生の女子児童は「みんなが使いやすくて不便がない学校にしたい。段差があると(障害がなくても)つまずいたり転んだりする子もいる。1年生の子からすれば、階段だって大きな段差だと思う。障害のある子や低学年の子も使いやすい学校にしたい」と、学校をバリアフリーの視点から捉え直していた。

 また、5年生の男子児童は「障害のある人もない人も楽しめる学校にしたい。そういう学校にできるように、これから意見を出していきたい」と意気込んだ。

 10月に行われる次回のワークショップでは、児童が見つけた校内の不便な場所について、具体的にどう改善していけばいいかを話し合うという。

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