沖縄県教育委員会は2023年度に教員免許を取得予定の大学生に臨時免許を交付し、公立小中学校の非常勤講師として登用することを決め、10月12日から募集を始めた。正規教員を目指す学生たちに学校現場での経験を積んでもらうことが主な目的だが、深刻化する「教員不足」を少しでも解消したい思惑もある。
文科省教育人材政策課によると、免許取得予定の学生に教員のサポート役である「学習指導員」を依頼する動きは各地で広がっているが、教員として登用するのは異例だ。
沖縄県教委が課している応募条件は、①原則週2~3日、各4コマ程度の授業を担当できる②学業に支障がない③すでに教育実習を終えている——の3つ。基本的には免許を取得予定の校種や教科を担当してもらう。学級担任を受け持つことはない。
10月末まで応募を受け付け、書類選考と面接で採用者を決める。今後、教員採用試験を受けた際の優遇措置などは設けないつもりだという。
沖縄県教委によると、同県では今年の夏休み明けの始業時点で、公立の小学校で40人、中学校で24人の教員の未配置が発生している。担当者は「教員を目指す学生に経験を積んでもらい、将来的にスムーズに学校現場になじんでもらったり、離職を防止したりすることが一番の目的だ」と強調した。