東京都港区に開業予定の「麻布台ヒルズ」の一角に新設された、英国のインターナショナル・スクール「ブリティッシュ・スクール・イン・東京(BST)」麻布台キャンパスの移転開校を祝う式典が、11月4日に開かれた。また同日、新キャンパス内の教室や特別教室、校庭や屋上庭園などが、報道など向けに公開された。
BSTは1989年に創立。現在では3歳から18歳までの児童生徒1100人以上を受け入れており、子供たちの国籍は60以上と多様だ。これまで都内2カ所に分かれていたプライマリースクール(幼児・初等教育科)が麻布台ヒルズキャンパスに統合され、今年8月から700人以上の子供たちが学んでいる。
新校舎は地上7階・地下1階の構造で、地下にはプール、5階にはスカイピッチ(校庭)、7階には屋上庭園などがある。また低学年用・高学年用の2つの図書館があり、多言語の本が充実しているほか、VRヘッドセットやグリーンスクリーンなどの設備を備えた「デジタルテクノロジースタジオ」、創作活動に使う「アート&デザインスタジオ」などもある。
1学級の人数は最大22人で、各教室の中央には全学級の子供たちが共に学び、遊べるエリアがある。この共有エリアは発達段階に応じてレイアウトが異なり、例えば6~7歳では低いテーブルやクッション、絵本やブロックなどがあるが、9~10歳では発表などに使える階段や、グループで活動できる机などが備えられている。
BSTのポール・タフ校長は「学校の設備が教育理念を高めるものになるよう、力を入れてきた。一人で学んだり、協働したり、各自の興味・関心や情熱を追求したりできるスペースやエリアがいくつもあり、伝統に根差した厳格さだけでなく、イノベーションや創造性をバランスよく備えていると感じる」と語った。
同校のウェブサイトによれば、プライマリースクールの学費は年間約260万円。タフ校長は「学校周辺が富裕層の多いエリアであることは十分承知している。ただ、われわれの役割は、裕福な家庭のための教育を提供することでは必ずしもなく、東京の多様なコミュニティーのニーズに応えることだ」と強調した。