ペットボトルの分別向上 大阪・泉北高校の探究がベストナッジ賞

ペットボトルの分別向上 大阪・泉北高校の探究がベストナッジ賞
中身が見えるようにしたペットボトルの回収箱と分別を促す手書きポスター=環境省HPの資料より
【協賛企画】
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 環境省はこのほど、行動科学の知見に基づく環境への取り組みを表彰する「『ベストナッジ賞』コンテスト2023」で、新たに創設された高校部門において大阪府立泉北高校がベストナッジ賞(環境大臣賞)に選ばれたと発表した。ペットボトル専用の回収箱を中身が見えるようにして、あらかじめキャップとラベルをはがしたペットボトルを入れておくことや、分別方法を解説したポスターを掲示したりすることで、分別の意識を高める効果を検証した。

 「そっと後押しする(ナッジ)」や「ぐっと後押しする(ブースト)」などの行動科学の知見を生かして、ちょっとした仕掛けで人の意識や行動を変えていく取り組みについて、環境省は2018年度から「ベストナッジ賞」のコンテストを実施している。22年度に高校生が受賞したことを受けて、今年度から高校部門が新設され、複数の学校からの応募の中から、プレゼンテーションや審査を経て、泉北高校のペットボトルの分別の改善に関する取り組みがベストナッジ賞に輝いた。

 泉北高校の当時2年生だった生徒らは「総合的な探究の時間」の一環として、各教室に置かれているペットボトル専用の回収箱で、分別があまり行われていないという問題に着目。昨年秋ごろから堺市環境行動デザインチームSEEDsの協力を得て、どのような仕掛けをすれば生徒の行動が変わるかを検討した。

 考え出したのは①回収箱を中身が見えるようにして、あらかじめその中にキャップとラベルをはがしたペットボトルを入れておく②回収箱のそばに分別方法を描いた手作りのポスターを設置する――の2つ。2年生の各クラスを①と②の両方を行ったクラスと、①のみ、②のみを行ったクラス、何も行わなかったクラスに分けて、昨年12月2日~今年1月27日に検証を行った。

 その結果、ペットボトルの分別率が向上したのは①と②の両方を行ったクラスと、②だけ行ったクラスで、①と②の両方を行ったクラスと①だけ行ったクラスでは、ペットボトル以外の物が回収箱に入っている異物混入率が改善していた。こうした結果から、この取り組みはペットボトルの分別が不十分な歩道沿いにある自動販売機横のゴミ箱などに活用が期待できるとしている。

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