3割以上の子どもが自分の未来を悲観的に捉えている――。東京都が11月29日に公表した、都内の小中学生対象の調査結果で、このような傾向が明らかになった。「自分たちの未来は明るいと思う」の設問に対して、否定的に回答した子どもは31.1%を占めた。一方で、6割以上の子どもは肯定的に回答した。
調査は子育て家庭の生活実態などを把握する狙いで、都内の子育て世帯を対象に、5年毎に実施している。今回の2022年度調査から新たな対象に子ども本人を追加し、小学4年生~中学3年生の1440人の回答を集計した。
その結果「自分たちの未来は明るいと思う」の設問に対し、「思う」または「やや思う」と肯定的に回答した子どもは6割以上を占めたものの、「思わない」または「あまり思わない」と否定的に回答した子どもは3割を超えた。
さらに、「大人になることが楽しみ」の設問に「思う」または「やや思う」と回答した割合は6割以上に上った一方で、「子どものままでいたいと思う」の設問にも5割以上が「思う」または「やや思う」と回答した。
子どもたちが、不安や悩みを感じる要因についても尋ねた。不安などを感じることが「よくある」または「ときどきある」と回答した割合が最も高かったのは、「勉強のこと」で過半数を占めた。次いで、「将来や進路のこと」(計44.9%)、「外見や体型のこと」(計35.4%)と続いた。さらに、「いじめのこと」と回答した子どもも1割以上いた。
また全体の7.7%の子どもが、これまで不安や悩みごとがあっても誰にも相談しなかったと回答。その理由について選択式で尋ねたところ、「話す・相談する必要がない」(21.6%)、「大ごとにしたくない」(13.5%)などの意見が多かった。