教員採用試験の不合格者の「秋採用」再挑戦 文科相が理解示す

教員採用試験の不合格者の「秋採用」再挑戦 文科相が理解示す
記者会見で見解を述べる盛山文科相=撮影:大久保昂
【協賛企画】
広 告

 夏の教員採用試験で不合格となった人に「秋採用」での再挑戦を認めることについて、盛山正仁文科相は12月8日の閣議後記者会見で「教師として必要な資質能力の確認は、適切に行われるものと考えている」と述べた。また、採用試験で不合格となった人に対し、産休・育休の代役となる講師としての登録を促す動きに対しても、「選考で採用に至らなかった教員免許保有者の中から、各教育委員会の判断により、適切に任用を行っていると考えている」と述べ、問題ないとの認識を示した。

 全国的に教員採用試験の志願者数が低下する中、文科省は都道府県・政令市教委に対し、質の高い教員を確保するための工夫の一つとして、採用試験の複数回実施を促している。今年度は佐賀県や高知県、北海道などが夏に実施している従来の採用試験に加え、「秋採用」に動いているが、佐賀県や高知県は夏に不合格となった人の受験も受け入れる一方、北海道は「直前に不合格となった人の出願を認めることは、矛盾する面がある」として認めないなど、対応が分かれている。

 盛山文科相は8日の会見で、教員採用試験の複数回実施について、「意欲ある志願者を確保するための工夫として有効な取り組みだと考えている」と述べ、夏の不合格者の再挑戦を認めることにも理解を示した。「教員の質を確保することはもちろんだが、併せて採用倍率の減少という状況を踏まえつつ、採用試験の工夫・改善を進めていくことは重要だ」とも語った。

広 告
広 告