若年層への市販薬販売で規制強化 過剰摂取が1.5倍に

若年層への市販薬販売で規制強化 過剰摂取が1.5倍に
iStock.com/solarseven
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 精神的な苦痛から逃れる目的で市販薬を過剰に摂取する「オーバードーズ」が若年層を中心に増えていることを受けて、厚労省の医薬品の販売制度に関する検討会は12月18日、乱用の恐れがある市販薬を若年層が大量に購入することを防ぐ対策などを盛り込んだとりまとめ案について大筋で了承した。非薬品の過剰摂取によって救急搬送された10代は、2020~22年の3年間で約1.5倍に急増していることから、20歳未満の若年層に対しては、小容量の製品1個のみを販売するなどの方針を示した。

 厚労省と消防庁が、政令市消防本部、東京消防庁、各都道府県の代表消防本部の計52本部で、医薬品の過剰摂取が原因と疑われる救急搬送人員を調べたところ、10代は20年が1018人だったのが、21年は1266人、22年は1494人に増加している。23年6月末までの上半期でも、すでに846人が搬送されている。

医薬品の過剰摂取が原因と疑われる救急搬送人員の推移
医薬品の過剰摂取が原因と疑われる救急搬送人員の推移

 こうした状況を踏まえ、検討会のとりまとめ案では、乱用の恐れがある医薬品の販売について、対策を強化する方針を打ち出した。具体的には、対面・オンラインによる販売、1人1包装単位の販売を原則とする。特に20歳未満の若年者がこれらの市販薬を購入しようとする際は、小容量の製品1個の販売のみとする。また、20歳未満の若年者が購入する場合は、購入者の氏名を公的な身分証などで確認し、店舗での過去の購入履歴から頻繁に購入していないかをチェック。販売後は、そうした情報を記録するとした。

 厚労省では年明けにも厚生科学審議会で議論し、必要な法改正を行う考え。

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