1月1日に発生した能登半島地震により、学校再開の見通しが立たない地域があることを踏まえ、文部科学省は7日、GIGAスクール構想で配備したデジタル端末などを活用し、できる限り児童生徒の学びの継続に努めるよう、被災地などの教育委員会に通知した。また、ICTを使った学びの成果を学習評価に反映できることや、被災の影響で法令が定める標準授業時数をこなせなかった場合も、違反とはならないことを改めて伝えた。
通知では、被災によってGIGA端末が故障したり、通信環境が整わなかったりして、一部の児童生徒がICTを活用できない可能性を想定しつつ、それだけを理由に全体としてICTを活用しないという判断は避けるよう求めた。また、オンラインを活用した学習指導を実施した場合の対応として、学習評価に反映できることに加え、▽学習成果が定着していることが確認できている場合は改めて対面で教える必要はない▽校長の判断によって特例の授業を受けた日数などを指導要録に記録できる――といった従来からの考え方を改めて周知した。
また、児童生徒が登校できるようになった後は、対面によって学習状況を把握し、必要に応じて補習などを実施するよう促した。遅れを取り戻すための具体的な方法としては、春休みなどの長期休業の短縮や土曜日の活用、学校行事のスリム化などを例示した。
文科省は冬休み明けの学校再開の時期について、児童生徒の安全を最優先にして柔軟に判断するよう求めている。最も被害の大きい石川県では、県内の公立学校は9日を冬休み明けの始業日と定めていた。しかし、県教委によると、小中学校281校のうち、輪島市や珠洲市などの計65校が延期。県立高校(定時制、通信制含む)も47校中18校が学校再開を見送った。
盛山正仁文科相は9日の閣議後記者会見で「学びの継続に向け、現場のニーズを丁寧に把握しつつ、必要な支援を行ってまいりたい」と述べた。