奈良県の教員採用試験 大学3年で2次まで受験可能に

奈良県の教員採用試験 大学3年で2次まで受験可能に
iStock.com/kyonntra
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 全国的に教員採用試験の早期化が進む中、奈良県教育委員会はこのほど、2024年度に実施する小学校と特別支援学校の採用試験において、大学3年生の段階で2次試験まで受験できるようにすると発表した。2次試験まで通過した場合、大学4年生で最終面接を経て内定となる。大学3年生に2次試験まで受験を認めるのは、全国で初めてとみられる。

 奈良県の教員採用試験は、1次で筆記試験と実技試験、2次では集団面接と個人面接が課される。このうち、小学校と特別支援学校については、24年度実施の試験から、大学3年生を対象とした選考が新設される。大学3年生を対象とした教員採用試験を実施する動きは各地で広がっているが、1次試験の一部のみ受験できるケースがほとんど。2次試験まで受験可能とする奈良県のような取り組みは珍しい。

 県教委によると、大学3年生で受験し、1次、2次試験ともに通過した場合、大学4年生になってから最終面接を行い、これをパスすれば内定が得られる。最終面接が不合格だった場合でも、大学4年生の2次試験から再挑戦することが認められている。また、大学3年生で1次試験をパスし、2次試験で不合格となった場合、大学4年生段階の1次試験は免除される。

 県教委の担当者は「大学3年生で2次試験に合格できなくても、また次の年に2次試験を受けられる。2次試験を2回受けられることは、学生にとってもメリットになると考えた。より優秀な人材を確保していきたい」と話した。

 文部科学省は教員採用試験の時期を早めたり、年に複数回実施したりするよう都道府県・政令市の教育委員会に要請している。同省教育人材政策課の担当者は「現段階では、奈良県以外で大学3年生が2次試験まで受験できる自治体は把握していない」としている。

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