文部科学省は1月22日、全国の教育委員会などに対して通知を発出し、学校で実施する健康診断について児童生徒のプライバシーや心情に配慮した環境整備を整えるよう求めた。健診時には体操服やタオルで身体を隠せるようにしたり、他の児童生徒に結果が知られないよう配慮したりするよう、具体的な対応を示した。
健診時の児童生徒のプライバシー保護を巡っては、同省は2021年に留意点をまとめ、全国の教委に改善を求めていた。今回の通知では、さらに詳しく具体的な対応や服装などについて方針を示した。
通知では、具体的な対応について▽男女別に検査・診察を行う▽児童生徒の体が周囲から見えないよう、囲いやカーテンなどで個別の検査・診察スペースを用意する▽養護教諭を除き、児童生徒と同性の教職員が立ち会う▽会場内の待機人数を最小限にした上で、他の児童生徒に結果が知られないよう注意する――などと示した。
さらに健診時の服装に関しては、児童生徒が体操服やタオルなどで体を隠せるようにするなど配慮を求めた。一方で正確な検査を実施する観点から、必要に応じて医師が体操服などをめくり視触診することや、体操服の下から聴診器を入れる場合があると、児童生徒や保護者に対して事前に説明するよう記した。
また学校医や各自治体の医師会と、児童生徒の服装をはじめ、具体的な検査・診察方法などについて協議し、共通認識を十分に図るよう呼び掛けた。
同省初等中等教育局健康教育・食育課の担当者は「来年度の健康診断について、2月ごろから打ち合わせに入る学校が多い。この内容を生かしてほしい」と話した。