(こだま)ゴールデンエイジ

(こだま)ゴールデンエイジ
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 「一富士二鷹三茄子」。初夢に見ると縁起が良いとされることわざだが、徳川家康に縁の深い駿河の国(静岡県)の名物を、日本最高峰の富士山、富士にすむ名鳥のタカ、他国よりも早く産出する初茄子を並べたとされる説が有力だ。

 富士と言えば、昨夏、念願だった富士山頂に立てた。一度は日本で一番高い所に立ってみたいという単純な願いがあったからだが、コロナ禍で制限されたここ数年の閉塞(へいそく)感もあって一念発起挑むことにした。

 かつて先輩から「60代はゴールデンエイジ、人生を楽しめ」と言われた。時間的に、金銭的に、そして体力的に余裕が生まれるからか。何でもチャレンジできる素晴らしい可能性をもった年代と言える。そこで、定年退職を機にさまざまなことに挑戦した。それまで握ることのなかったゴルフクラブを手にしたり、畑仕事を母親から引き継いだりした。合間には、四国八十八カ所を巡ったりもした。富士登頂もその一環。振り返れば、コロナ禍もあったが、それなりに60代を満喫している。

 しかし、今学校現場は様相が変化しつつあるようだ。今年度から段階的に教員の定年が延長されることになった。2年に1歳ずつ引き上げられ、2031年度に65歳定年が完成することとなる。公的年金の支給される年齢が65歳に段階的に引き上げになったことで無給期間が生じることのないようにすることが定年延長制導入の主な理由である。が、その背景には、平均寿命が延びたことや少子高齢化が進むことを踏まえて、知識や経験が豊富な教員が活躍できる環境を整えるためでもある。これからの先生は定年まで働くのか、定年前早期退職するのかの選択に迫られることになる。

 必然的にゴールデンエイジも後ろにずれることになる。人生100年時代である。黄金の年代にするのもしないのも、自らの気持ち次第。前向きに人生を楽しみたい。

 「富士」は「不死(不老長寿)」に通じる。全ては体力・健康が基本。肝に銘じたい。

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