【愛知県総合教育センター情報】 全国学力・学習状況調査に関する研究

【愛知県総合教育センター情報】 全国学力・学習状況調査に関する研究
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 愛知県総合教育センターでは、2023年4月18日(火)に行われた「全国学力・学習状況調査」の愛知県の結果から見えてきた本県の取り組みの成果や課題を分析するとともに、授業改善の方向性について研究を進めてきました。第63回愛知県総合教育センター研究発表会では、この研究成果の概要を動画にまとめ、YouTubeで限定配信をしました。ここでは、動画の中から、成果と課題に加え、学習や授業における改善のポイントの一部を紹介します。

【小学校国語】

 問題2一の「目的を意識して、中心となる語や文を見つけて要約することができる」については、正答率が89・0%と高く、文章を読む目的を明確にし、中心文やキーワードを基に内容を端的に捉えられるように指導を積み重ねた成果であると考えます。

 問題2四の「文章を読んで理解したことに基づいて、自分の考えをまとめる」については、正答率が53・2%(全国比―3・0)と低くなっています。

 改善のポイント

 複数の本や資料を読んで分かったことを整理したり、分かったことの中から既有の知識や体験などに結び付くものを考えたりしながら自分の考えをまとめるような授業を行いましょう。

【小学校算数】

 問題3(2)の「3種類のファイル23人分を並べた長さを求める」については、正答率が59・0%(全国比+2・3)と高く、文章の状況からの立式や、小数を含む計算を正しく用いて表現、判断することができています。基礎的・基本的な計算力の定着を図るために、きめ細やかな指導を心掛けた成果であると考えます。

 問題2(4)の「底辺と面積の関係を基に面積の大小を判断する」については、正答率が17・2%(全国比―3・6)と低くなっています。

 改善のポイント

 平行な2つの直線に挟まれた、高さが示されていない図形の面積を比べることを通して、底辺と高さの位置関係を理解できるような授業を行いましょう。

【中学校国語】

 問題3四の「自分の考えが伝わる文章になるように、根拠を明確にして書くことができる」については、正答率が74・1%(全国比+2・0)と高く、根拠を明確にして書く取り組みを積み重ねてきた成果であると考えます。

 問題2四の「文章を読んで理解したことなどを知識や経験と結び付け、自分の考えを広げたり深めたりする」については、正答率が65・4%(全国比―2・1)と低くなっています。

 改善のポイント

 読書の意義や効用を考え、自分の読書活動について自覚的になるような授業を行いましょう。

【中学校数学】

 平均正答率が全国平均より高く、無回答率が全国平均よりも低い傾向でした。先生方が日頃から「主体的・対話的で深い学び」となるような授業を心掛けている成果であると考えます。

 問題3の「空間図形の位置関係の理解」については、正答率が34・0%と低くなっています。

 改善のポイント

 具体物の操作・観察やICTを活用することを通して、図形の位置関係の理解を深めるような授業を行いましょう。

【中学校英語】

 問題1(3)の「情報を正確に聞き取ることができる」については、正答率が57・7%(全国比+7・9)と高くなっており、日頃の授業において、知識・技能の定着を図る取り組みが充実している成果であると考えます。

 問題8(2)の「社会的な話題について、短い文章の要点を捉えて、それに対する自分の考えとその理由を書く」については、正答率が20・6%と低くなっています。

 改善のポイント

 内容に対する感想や賛否、自分の考えなどを話したり書いたりして表現するなど、領域を統合した言語活動の充実を図りましょう。

【児童生徒・学校質問】

 「自分の考えがうまく伝わるよう、資料や文章、話の組み立てなどを工夫して発表している」については、肯定的な回答が、児童生徒が、児童64・9%(全国比+1・2)、生徒64・5%(全国比+2・4)、に対して学校が、小学校76・7%(全国比―2・3)、中学校81・8%(全国比+0・2)と高くなっています。学校(教師)としては発表の内容や方法などを工夫して取り組む場を設定していても、児童生徒はまだ工夫の余地があると感じているようです。

 改善のポイント

 児童生徒が工夫して表現したことを教師が価値付け、児童生徒がそのよさを実感できるような支援があると、達成感が高まり、次への学習意欲が高まると考えます。

 研究の成果をまとめた「令和5年(2023)度学力・学習状況充実プラン」は総合教育センター研究部または愛知県教育委員会義務教育課のウェブページから御覧いただけます。ぜひ御活用ください。

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