高校生が造るワインも登場! 専門高校の産学連携で報告会

高校生が造るワインも登場! 専門高校の産学連携で報告会
県立農林高校の生徒が製造するワイン(オンラインで取材)
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 高校生が造るオリジナルワインも登場――。工業高校や農業高校など専門高校と産業界が連携して学びを深めるマイスター・ハイスクール事業の成果発表会が1月30日、オンラインで開催され、モデル校である全国18校の取り組みが報告された。ワイン醸造を学ぶ生徒が独自の本格辛口ワインを開発し販売する山梨県立農林高校など、地域の産業や特性に合わせた個性溢れる実践が目立った。

 マイスター・ハイスクール事業とは、専門高校に企業や技術者など民間人材が入って教育活動やカリキュラムを開発し、産学連携で人材育成を目指す文科省のモデル事業。学校の管理職相当として産業界から配置される「マイスター・ハイスクールCEO」を筆頭に、技術者や研究者など「産業実務家教員」が生徒らに知識や技術を指導する。2021年度より全国のモデル校で、さまざまな取り組みが実施されている。

 山梨県内唯一の農業専門高校である県立農林高校は地域の名産である山梨ワインの発展をテーマに、生徒がオリジナルのワインを開発・製造している。高校生が手掛ける本格辛口ワインをコンセプトにした「17ans(ディセタン)」は、県内の酒販店やホテル、飲食店などに卸されているほか、同校のある甲斐市のふるさと納税の返礼品として採用されるなど、地域の名産として注目を集めつつある。

 同校では2年次と、3年次で製造法やブドウ栽培、流通などワインを巡る幅広い知識を習得できる。ワインに関する知識を測る学校独自の認定制度「ジュニアワイングローワー」を設置するなど、生徒のモチベーションを高める取り組みも進めている。

 生徒は未成年でワインを口にできないため、成分分析で酸味などを数値化したり、ソムリエでもあるマイスター・ハイスクールCEOが味わいについて言語化したりしながら、生徒は試行錯誤を重ねている。

 他には、ドローンやAIを活用していちごやシクラメンを栽培した大分県立大分東高校や、デジタル技術などこれからのビジネスモデルに合わせてカリキュラムの見直しを図った宮崎県立延岡工業高校などが実践を報告した。

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