大学生の就職内定率86% 人手不足の影響などで高水準に

大学生の就職内定率86% 人手不足の影響などで高水準に
iStock.com/kazuma seki
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 文科省と厚労省がこのほど公表した「2023年3月大学等卒業予定者の就職内定状況調査(12月1日現在)」によると、大学生の就職内定率は86.0%で、調査開始以降、過去3番目に高い数値となった。高等専門学校や専修学校は同じく上昇したものの、短期大学はマイナスとなった。就職内定率が全体的にコロナ禍以前の水準に持ち直しつつあることについて、文科省はコロナ禍からの経済回復や企業の人手不足の影響で高水準に動いていると分析している。

 調査結果によると、大学の就職内定率(昨年12月1日時点)は国公立大学が87.6%(前年同期比0.4ポイント減)、私立大学は85.5%(同2.2ポイント増)だった。大学以外では、▽短期大学 66.7%(同2.7ポイント減)▽高等専門学校 97.8%(同1.2ポイント増)▽専修学校 73.2%(同3.4ポイント増)――となり、全体的にコロナ禍で大きく落ち込んだ21年から持ち直す動きが見られた。

 地域別に見ると、▽北海道・東北 77.4%(同5.0ポイント減)▽関東 90.6%(同0.7ポイント増)▽中部 88.4%(同7.5ポイント増)▽近畿 84.7%(同4.3ポイント増)▽中国・四国 80.7%(1.4ポイント増)▽九州 83.5%(同2.9ポイント減)――だった。

 今回の結果について、文科省の担当者は「特に大学は過去3番目に高い数値となるなど、全体的に高水準となった。ヒアリングをした中でも、人手不足から求人数が増えているという声があった。新型コロナウイルスの影響は、ほとんどなくなったと言えるのではないか」と分析している。

 同調査は全国の大学、短大、高等専門学校、専門学校など112校を抽出し、学生ら6250人を対象に電話や面接で実施した。短大は女子学生のみ、高等専門学校は男子学生のみを対象としている。

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