「ICT整備は現行の骨格維持」 次期方針に向け文科省が方向性

「ICT整備は現行の骨格維持」 次期方針に向け文科省が方向性
次期ICT環境整備方針について議論するWGの委員たち=撮影:秦さわみ(オンラインで取材)
【協賛企画】
広 告

 学校におけるICT環境整備方針の改訂について議論するため、中教審初等中等教育分科会の傘下に設置されているワーキンググループ(WG)の第3回会合が2月22日、オンラインで開かれた。文部科学省は、2025年度にスタート予定となっている次期方針について、引き続き現行の学習指導要領の下で進められることを前提に、「現行方針の骨格を維持しつつ、GIGA第1期の中間的な課題・成果のまとめや外部環境の変化を十分に踏まえた部分的な改訂とすることが適当」とする案を示した。

 文科省の案では、子どもたちが学習に使う端末について「1人1台環境を前提とした継続的整備が必要」とした。義務教育段階では、23年度補正予算で盛り込まれた基金を活用したGIGA端末の更新が予定されていることから、それを踏まえた整備指針とすることを提案した。一方、高校段階については、設置者や保護者の負担で端末を整備する形を維持しつつ、低所得世帯への支援や予備機の確保などが必要だとした。

 AIドリルなどの学習用ツールについては、費用負担の実態や、教材整備指針との関係などに留意しつつ検討するとした。委員からは「GIGAスクールで進んだクラウド活用の影響で、教材や機器、ソフトウェアなどの概念が若干重なりを持つようになっており、整理が必要」といった意見が出た。

 また、ICT支援員に関しては、22年度末時点で約4.6校に1人の配置にとどまり、目標としてきた「4校に1人」に達していないことから、引き続き配置を促進する方向性が示された。これに対し、委員からは「整備から時間が経ち、教員がスキルアップしている中、ICT支援員はもはや必要ないのではないかという声が上がっている自治体もある。担うべき役割を明確にしてほしい」という注文が付いた。

 WGは今後も議論を続け、今年の夏ごろをめどに議論の取りまとめを目指す。

広 告
広 告