いじめや体罰、防災対策など学校の安全・安心について専門家や教育関係者が調査・研究し、教育委員会などに政策提言する「学校総合危機管理研究会」が3月に設立される。メンバーとなる元教員や危機管理の専門家らが2月28日、文部科学省で記者会見を開き、発表した。共同代表の1人に就任する元小学校長の仲野繁さんは「子どもに関する課題を浮き彫りにし、改善につなげていきたい」と語った。
仲野さんのほか、元高校教員で米国の大学で教育心理学を研究した経験を持つ高原晋一さん、企業のコンプライアンスやガバナンス(経営統治)に詳しい日本大学大学院危機管理学研究科の中村良教授が共同代表に就く。また、学校防災の専門家やいじめ被害の経験者といったメンバーも加わり、専門家の知見と社会の一般的な感覚の両方を大切にしながら問題提起していくという。
中村教授は「危機管理という視点で見ると、いじめなどへの学校の対応は不十分だと思える部分がある」と指摘。研究会には教育学の専門家にも加わってもらうつもりだといい、「幅広い知見を取り入れながら、提言をまとめたい」と語った。
3月16日には東京都世田谷区の日本大学三軒茶屋キャンパスで、設立を記念したシンポジウムを開く。研究会のメンバーが、いじめや不登校などの現状について報告するほか、不適切指導によって肉親を亡くした遺族や性被害の当事者などが体験談を語る予定だ。オンラインでの参加も可能。申し込みや問い合わせはメール(info@humanloveaid.com)で。