週1~2回のランニングを7年ほど続けている。名古屋で開催される女性限定のフルマラソンに渋々エントリーしたことがそもそもの始まりだった。星の輝きが増す寒い冬の夜空を見上げながら自分の時間を過ごすことは、心身の健康を保つためにもよい時間となった。また、始めた頃は1km走るだけで精一杯だったが、2km、3kmと距離が伸び、タイムも少しずつ速くなり、「できる喜び」を久々に味わうことができた。しかし、コロナ禍でさまざまな大会も中止となり、自分への言い訳も多くなり、モチベーションを保つことが難しくなってきた。そんな折、教え子から一緒にフルマラソンを走ろうと連絡が入った。若人と同じレベルで走る力はないため、大会当日は選手の追跡システムを使って互いの位置を確認し、応援し合うことになった。
そして、迎えた当日。応援されっぱなしのおばさんランナーだったが、教え子の保護者も沿道で声をかけてくれ、最後の力を振り絞る原動力となった。
古い友人との再会もあった。家族の変容や仕事の変遷などさまざまな人生経験を積み、見てくれは年齢を重ねているが、気持ちは30年前と変わらず20代の自分に瞬間移動。何はともあれ、元気に走ることができる今に「乾杯」である。
年齢には抗えない正直な身体。けがのないよう、時を経てマラソンを通して繋がった縁に感謝をしつつ、新たな人との繋がりを楽しみに、Fun&Runを続けていこう。
(鈴木早智・犬山市立栗栖小学校長)