愛知県は3月5日、「休み方改革」の一環で昨年から導入した独自の制度「県民の日学校ホリデー」についての調査結果を公表した。全54市町村のうち46市町村が学校閉庁日として設定し、教職員が有給休暇を取りやすくするなど、教職員の働き方改革を促進する成果があったことが分かった。大村秀章知事は同日の定例知事記者会見で、「教職員の有給休暇取得が促進できたことは、個人的にも大きかったと感じている」と述べた。
学校ホリデーは、「県民の日」(11月27日)までの1週間のうち平日1日を市町村や各学校が休校にする、同県独自の制度。子どもに合わせて保護者も休みを取得し、家族で過ごしてもらうことが狙い。初めてとなった今年度は、全54市町村が参加した。県はその成果を把握するため、市町村教育委員会や県立学校の教職員、生徒、保護者などにアンケートを実施した。
その結果、全54市町村のうち46市町村が学校ホリデーを学校閉庁日にした。当日に時間休を含む有給休暇を取得した教職員は95%に上った。一方、高校や特別支援学校など県立学校では当日に時間休を含まない有給休暇を取得した教職員は66%を占めた。一部の県立学校は定期考査の時期と重なり、成績処理などの業務があったため、市町村立学校と比べ低くなったと見られる。
市町村教委では3連休や4連休になるように学校ホリデーを設定し独自の連休をつくった自治体も多く、保護者から「家族で秋の連休を楽しむことができた」という意見が多く上がったという。また県立学校の教職員からは「休みを取りやすくなった」「生徒のゆとりが増えた」など、効果を実感する声があった。
一方で、保護者らからは「仕事を休むことが難しかった」「学校ホリデーの意義がよく分からない」などの声もあったという。
また名古屋市では、2024年度の実施を見送る方針を示している。市教委によると、市立学校に子どもが通う保護者を対象にしたアンケートで約3割に当たる2万人以上が「有意義でなかった」または「あまり有意義でなかった」と回答していることや、「祝日ではないため仕事を休めず、子どもだけで留守番させなくてはいけない」といった相談が市教委などに一定数寄せられたことを踏まえたという。