盛山文科相が日本経団連と懇談 財界首脳「夢中になれる教育を」

盛山文科相が日本経団連と懇談 財界首脳「夢中になれる教育を」
日本経団連との懇談会であいさつする盛山文科相(中央)=撮影:大久保昂
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 盛山正仁文科相は3月27日、東京都千代田区で開かれた日本経団連のメンバーとの懇談会に出席し、大企業の経営者たちと日本の教育政策について意見交換した。日本経団連が国にこれまで求めてきた博士人材や大学を核としたスタートアップの育成などが主なテーマとなったが、話題は小中学校や高校教育にも及び、財界首脳からは「一つのことに夢中になれる教育を」「早い段階から科学者に憧れる風土づくりが必要だ」といった意見が出た。

 懇談会は日本経団連が主催し、盛山文科相を招く形で行われた。日本経団連が文部科学省トップと公式な形での懇談の場を設けるのは、2022年6月に末松信介文科相(当時)を招いて以来だという。

 27日の懇談会では、日本経団連の十倉雅和会長(住友化学会長)が「活力ある経済社会実現のカギを握るのが教育、人材育成だ。産官学が連携してオールジャパンで取り組むことが肝要だ」などとあいさつ。盛山文科相は日本経団連の意見も参考にしながら、2040年ごろに人口100万人当たりの博士の数で世界トップレベルを目指す計画を26日に取りまとめたことを説明し、「日本の明るい将来を作っていくために今後もアドバイスをお願いしたい」と応じた。

 その後の意見交換は非公開で行われたが、文科省によると、南場智子副会長(ディー・エヌ・エー会長)が日本の教育について、「苦手を克服することに重きが置かれ、一つのことに夢中になるのを許容する形になっていない。早い段階からそういうところを伸ばしていくような教育をやっていかないといけない」と問題提起した。十倉会長からも「科学者に憧れる風土づくりは、大学だけではなく、高校までの早い段階から組み立てていく必要があるのではないか」という趣旨の発言があったという。

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