「互いに尊重し合い、協働しながら学びを深める児童の育成」~「言葉」でつなぐ授業づくりの工夫~ 江南市立古知野西小学校

「互いに尊重し合い、協働しながら学びを深める児童の育成」~「言葉」でつなぐ授業づくりの工夫~ 江南市立古知野西小学校
言葉を大切にした授業で、発達段階に応じた目指す子どもの姿
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 2021年度に実施した全国学力・学習状況調査で、「自分の考えをうまく伝えること」や、「友達の考えを受け止めて自分の考えをしっかりと伝えること」の項目について、全国に比べて自信のない児童が多いことを受けて、「言葉」を大切にした授業を展開していくために、主題の実現を目指して授業実践に取り組んだ。

21年度の取り組み

 学びに向かう姿勢を整え、確かな学力を身に付けることが、「相手の伝えたいことを理解し、自分の考えが伝えられる」ようになると考え、全ての学級で学ぶ姿勢を整えることにした。

 (1)授業準備の徹底(2)児童によるあいさつ(3)聞き手を意識した話し方(4)話し手を意識した聴き方(5)話し合いの隊形やつなげ方(6)ノートの取り方

 少し窮屈さを感じることもあるが、全校で取り組んでいるので、学年が上がっても担任による差がなく、児童にとって授業を同じリズムで受けることができている。また、児童の考えをまとめる、伝え合う場面を大切にしているので、児童自身が主体的に学び合っている雰囲気が生まれている。

授業力の向上

 「伝える」から「支える」授業を展開する。そのために、低・中・高学年で練った授業を公開する。みんなで練ることにより、「言葉」を大切にした授業のスタイルがどういうものなのかを、先生方自身で共通に認識することができるようになっている。また、先生方の専門あるいは得意とする教科について講義をしてもらい、各教科の指導方法を深めている。さらに、外部講師を招聘し、模範授業を拝見し、「言葉」の育て方について在り方を教授いただいている。今年度は、いつでも授業公開をして、空いた時間に授業を見るという実践をしている。

授業づくりの工夫

 21年度では、自分の考えをまとめることができるよう、各教科の授業以外に、日記やありがとうメッセージなど、日常生活の中で文章を書く機会も大切にした。22年度では、自分の考えをまとめたことを「伝え合える」ように、ペアやグループを活用した指導を継続的に実施した。

21・22年度の成果

 23年度に実施した全国学力・学習状況調査では、質問項目(31)「・・自分の考えをうまく伝わるよう・・」では、11ポイント上昇した。また、(33)「課題の解決に向けて、自分で考え、自分から取り組んでいましたか」についても8ポイント上昇した。

23年度の重点内容

言葉でつなぐ授業づくりにおいた、発達段階に応じためざす子どもの姿
言葉でつなぐ授業づくりにおいた、発達段階に応じためざす子どもの姿

 お互いの考えを伝え合う力を育成するため、写真にあるように学年の発達段階に応じて「伝える力」「伝え合う力」「つなぐ力」を段階的に指導することを試みた。また、話をつなげるための話し方を例示し、自分の考えを発表しやすいようにした。他の児童の意見を分析し、自分の考えを明らかにする発言の仕方や、他の児童の意見から自分の考えの変化を明らかにする発言の仕方などを例示した。

おわりに

 この実践を全ての先生で取り組むことにより、授業に取り組む児童の姿勢がよくなったと感じる。今後もこの実践を継続し、自信をもって学びを深める児童を育てていきたい。

  (文責・伊藤勝治校長)

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