公立教員の残業は月41時間 教頭の負担は依然重く、千葉県調査

公立教員の残業は月41時間 教頭の負担は依然重く、千葉県調査
iStock.com/mapo
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 千葉県内の公立学校に勤める教員の2023年度の勤務時間について県教育委員会が調べたところ、事実上の残業時間に当たる「時間外在校等時間」は1カ月当たり平均約41時間で、前年度と比べて約2時間減少した。県教委がこのほど発表した。ただ、教員全体の「働き方改革」が着実に進む一方、副校長・教頭の勤務時間の削減は足踏み状態となっており、県教委は24年度、副校長や教頭が長時間労働を強いられている学校に支援スタッフを重点配置するなどして、負担軽減を図ることにしている。

 千葉県教委は18年度から毎年、県立学校と県内の市町村立学校の全ての教員を対象として、6月と11月の1カ月の勤務時間を把握して働き方改革の進み具合を確認するとともに、改善策の立案につなげてきた。23年度は学校現場の負担を減らすため、調査対象を11月のみに変更し、今年3月に集計結果を公表した。

 県教委によると、主幹教諭以下の時間外在校等時間は平均41時間21分で、22年度の同じ11月(同43時間33分)と比べて2時間12分減少した。国の指針が定める在校等時間の上限(月45時間)を超える教員は37.2%で、22年度(42.4%)から5.2㌽改善した。県教委は、電話対応や資料の印刷などを教員に代わって担う「教員業務支援員」の配置や現場の意識改革が進んできたことが背景にあるとみている。

 一方、副校長・教頭の勤務時間削減の動きが鈍いことも浮き彫りとなった。

 市町村立学校で見ると、小学校の副校長・教頭の1カ月当たりの時間外在校等時間は平均65時間33分で、校長(同38時間40分)や主幹教諭以下(40時間46分)を大きく上回った。校長や主幹教諭以下はいずれも22年度より時間外在校等時間が減ったにもかかわらず、副校長・教頭は逆に15分増えた。また、「過労死ライン」とされる月80時間を超えた人の割合も、副校長・教頭は19.1%(前年度比1.4㌽減)に達しており、校長(2.5%)や主幹教諭以下(2.7%)と比べて突出していた。

 中学校についても、副校長・教頭の時間外在校等時間が同63時間51分と最も長く、過労死ラインを超える人も22.4%と22年度比で0.8㌽上昇した。

 文部科学省は副校長・教頭の負担軽減を図るため、その業務を補佐する「副校長・教頭マネジメント支援員」を24年度から創設し、全国で1000人分の予算を確保している。千葉県教委は副校長・教頭の勤務時間が長い学校に重点配置することにしており、「外部人材の力も借りながら、管理職の負担軽減を図っていきたい」としている。

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