24年度当初の教員不足について全国調査へ 盛山文科相が表明

24年度当初の教員不足について全国調査へ 盛山文科相が表明
記者会見で質問に答える盛山文科相=撮影:大久保昂
【協賛企画】
広 告

 学校現場に配置すべき教員が確保できない「教員不足」を巡り、盛山正仁文科相は4月23日の閣議後記者会見で、全国の都道府県や政令市などを対象として、2024年度当初の状況を調査する方針を明らかにした。前年度の同時期と比較した状況を「改善した」「同程度」「悪化した」の3択で答えてもらうもので、3年続けての調査となる。

 文部科学省は21年度、教員の人事権を持つ全ての都道府県・政令市教委などを対象として、年度当初の教員不足の実態を初めて調べた。この結果、公立の小中学校、高校、特別支援学校で計2558人の欠員が発生していたことが判明した。22年度以降は、各教委や学校現場の負担になることを避けるため、具体的な人数を把握する調査は見送る一方、年度当初の状況を3択で尋ね、大まかな実態の把握を続けてきた。23年度の結果は、▽改善した₌11▽同程度₌28▽悪化した₌29――だった。

 盛山文科相は4月23日の記者会見で、24年度もこうした調査を実施する考えを示した上で、「年度後半に発生する教員不足に対しても、人材発掘の強化など各教委の取り組みを支援していきたい」と述べた。

 一方、文科省は1月以降、都道府県・政令市教委などが教員の確保に向けてどのような取り組みを進めているのかについても調べており、24日に開かれる中教審の教員養成部会で結果を公表することにしている。盛山文科相は「現在取りまとめ中ではあるが、免許保有者向けの研修や計画的な正規教員の採用などが加速しつつある」との認識を示した。

特別部会の素案への直接的言及は避ける

 23日の記者会見では、教員の「働き方改革」や待遇改善について議論している中教審の特別部会が19日に提示した審議まとめの素案に関する質問も出た。

 公立校に勤める教員の勤務時間外の貢献も含めて支給している「教職調整額」を月額給与の4%から同10%以上に引き上げ、将来的には実質的な残業時間に当たる「時間外在校等時間」を月平均20時間程度に削減することを目指すとした内容について、盛山文科相は「素案は審議の途中段階のもの。今後示される考え方も踏まえ、働き方改革のさらなる加速化や教師の処遇改善、学校の指導運営体制の充実、教師の育成支援を一体的に進めていきたい」と述べるにとどめた。

広 告
広 告