谷川俊太郎氏は、その作品が国語の教科書に採用されたり、読み聞かせや楽曲として紹介されたりすることも多い詩人です。さまざまな作品の中で、時に高尚な、時にリズミカルで風刺の効いた言葉を紡ぎ出す谷川氏の「書くこと」や「言葉」についての考えが軽やかな文体で記してあります。「何か意味のあることを伝えなければ」とか、「分かりやすく正しく書かなくては」とか、無意識に肩に力が入りがちだった若い頃、言葉や書くことを素直な気持ちで捉えている筆者の視点がとても新鮮に感じられました。見たもの、感じたものを純粋に言葉につづればよいのだと教えてくれた一冊でした。
言葉の気持ちよさというのは、毎日の暮らしとか、体に根ざした言葉にこそ感じるもの。こどもたちの言葉が心地よく響くのは、それが日常の行動と体に根ざしたところから出てくるからじゃないか。
言葉は自分と他人や外の世界を結ぶもの。改めて自分の純粋で素直な言葉を大切にしていきたい、という思いを確認しながら読み返しています。
(渡辺まゆみ・岩倉市立五条川小学校長)
江戸時代の教育学者、細井平洲の言葉に「人の子を教育するは菊好きの菊を作る様にはすまじく、百姓の菜大根を作る様にすべきこと」というものがある。菊好きは、理想的な好みの形を目指して育てる。百姓は形や大きさにかかわらず「おいしくなあれ」と育てる。最近は、自身が「菊好き」なのでは、と悩む先生たちによく出会う。菊好きから百姓への転換の難しさも、非常に多く見聞きする。
伝統的なカトリック系ミッションスクールだった宇都宮海星女子学院中学・高校は、2023年度に星の杜中学・高校として生まれ変わった。世界10都市以上で海外留学を経験できる制度の導入など積極的にグローバル教育に取り組み、入学希望者も年々増加するなど注目を集めている。また、24年度には全国の私立中学・高校12校とコンソーシアムを立ち上げ、国内留学などの連携も始めた。これらの施策を推進する小野田一樹校長に、学校改革の現状や、私学を中心としたこれからの学校教育の在り方などを聞いた。
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