【私を支えた「この一冊」(44)】詩を書く なぜ私は詩をつくるか

【私を支えた「この一冊」(44)】詩を書く なぜ私は詩をつくるか
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 谷川俊太郎氏は、その作品が国語の教科書に採用されたり、読み聞かせや楽曲として紹介されたりすることも多い詩人です。さまざまな作品の中で、時に高尚な、時にリズミカルで風刺の効いた言葉を紡ぎ出す谷川氏の「書くこと」や「言葉」についての考えが軽やかな文体で記してあります。「何か意味のあることを伝えなければ」とか、「分かりやすく正しく書かなくては」とか、無意識に肩に力が入りがちだった若い頃、言葉や書くことを素直な気持ちで捉えている筆者の視点がとても新鮮に感じられました。見たもの、感じたものを純粋に言葉につづればよいのだと教えてくれた一冊でした。

 言葉の気持ちよさというのは、毎日の暮らしとか、体に根ざした言葉にこそ感じるもの。こどもたちの言葉が心地よく響くのは、それが日常の行動と体に根ざしたところから出てくるからじゃないか。

 言葉は自分と他人や外の世界を結ぶもの。改めて自分の純粋で素直な言葉を大切にしていきたい、という思いを確認しながら読み返しています。

 (渡辺まゆみ・岩倉市立五条川小学校長)

谷川俊太郎 著 詩の森文庫
谷川俊太郎 著 詩の森文庫
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