英国式の中高一貫のインターナショナルスクール「ラグビースクール・ジャパン」(千葉県柏市)で、将棋の棋士・藤井聡太氏と伊藤匠氏が校内を見学し、同校のサイモン・パルファマン副校長と「あらゆる可能性を育む環境の重要性」をテーマに対談するイベントが5月30日、開かれた。
同校は、英国の名門私立校(パブリックスクール)の一つであるラグビー校が、同市に2023年に開設。英国のパブリックスクールの日本校が首都圏に開設されるのは初めてだった。「全人教育」の理念の下、学業だけではなく生徒の人格形成を重視しているといい、初年度は世界各地から生徒約140人が入学した。
この日は、翌31日に柏市内で将棋の叡王戦第4局を控えている藤井氏らが同校を訪れ、パルファマン副校長が校内を案内した。パルファマン副校長は「一人一人の子供の個性や才能を伸ばすため、子供が芸術やスポーツに興味を持つように施設面でも工夫している」と説明しながら、生徒たちが個別にバイオリンなどを練習できる部屋や、音楽室などを紹介。また、生徒たちが二手に分かれて向かい合って討論を行うディベートルームも案内し、「近い将来、英国の本校と日本校の生徒が、ここで討論を行えるようにしたい」と話した。
見学の後、食堂棟で対談が行われ、藤井氏は「生徒が主体性を持って学び、学んだことを実践していけるという、素晴らしい環境が整っていると感じた」と話し、伊藤氏は「音楽やスポーツなど、通常の学業以外にもさまざまなことに取り組むことができて、生徒も通っていて楽しめる学校だなと感じた」と述べた。
パルファマン副校長が「どのような環境で育ち、将棋などに打ち込める集中力を養ったのか」と質問したところ、藤井氏は「私が将棋を好きになったら、両親が将棋の教室や大会に連れていってくれて、興味を持ったことを伸ばしてくれるような育て方をしてくれた」などと答えた。パルファマン副校長は両氏に、生徒たちに学業だけではなく、さまざまなことに興味を持ち、情熱を育んでもらう教育を実践していることを説明した。