中1、中2対象の都英語スピーキングテスト 初めての実施結果公表

中1、中2対象の都英語スピーキングテスト 初めての実施結果公表
iStock.com/Milatas
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 東京都教育委員会は6月13日、第9回定例会を開き、2023年度に初めて行われた中学1、2年生を対象とした英語スピーキングテストの実施結果について報告した。中学1年では86.2%が、中学2年では73.5%の生徒が目標とするレベルに達しており、都教委の担当者は「結果をもとに、さらなる授業改善につなげていきたい」と強調した。

 都では22年度から中学3年生を対象とした英語スピーキングテスト(ESAT-J)を実施してきた。23年度からは中学1,2年生を対象とした「ESAT-J YEAR1(以下、Y1)」「ESAT-J YEAR2(以下、Y2)」も実施。各中学校で24年1月22日から3月15日までの期間内で実施され、13万4878人が受験した。今回のテストより事業者はブリティッシュ・カウンシルとなり、試験には専用のタブレット端末とヘッドセットが使用された。

 試験は音読、会話、イラストの説明、ナレーションの形式で出題され、それぞれ「発音と強勢、音読するペースや間の取り方などが適切か」「求められていることに適切に対応しているか」「語彙や文法、文構造の使用が適切か」「発音、話すペースや間の取り方などが適切か」の観点で評価された。

 目標レベルは、「Y1」では「ESAT-J GRADE」のA~Fにおける「C・D」とし、「Y2」では「B・C」とした。

 23年度の実施結果によると、「Y1」では「目標とするレベルを超えている(GRADEがB以上)」が1.9%、「目標とするレベルにある」が84.3%、「目標とするレベルまでもう少し(GRADEがE・F)」が13.8%だった。「Y2」では「目標とするレベルを超えている(GRADEがA以上)」が3.2%、「目標とするレベルにある」が70.3%、「目標とするレベルまでもう少し(GRADEがD・E・F)」が26.4%と、「Y1」よりも目標レベルに届かない層が多かった。

 都教委の担当者は「中1では86.2%が、中2では73.5%の生徒が目標とするレベルに達していた。生徒には結果と学習アドバイス、適した教材を紹介するリンクを掲載した個人レポートを、教員には生徒の個別の状況が分かる資料などを送付する。家庭学習や授業改善などに役立ててもらいたい」と話した。

 委員からは「中学1、2年生を対象としたスピーキングテストでは、子どもたちの到達度を見ることによって、教員の指導改善につなげていくことが重要だ」「今回の問題を見て、英語を話すためには国語力も必要だと感じた。目標レベルに達していない層の生徒については、国語力についても確認が必要ではないか」といった意見が上がった。

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