虐待などで家庭に居場所のないこども・若者を支援する「こども若者シェルター」の整備を進めるため、その適切な対応の在り方や必要な支援内容などを検討し、ガイドラインを策定することを目的とした「こども若者シェルターに関する検討会」の初会合が、6月14日にこども家庭庁とオンラインのハイブリッドで行われた。座長には明星大学の川松亮教授が選ばれた。今後は民間シェルターからのヒアリングなどを行い、今年度中にガイドラインの取りまとめを行う予定。
2023年12月に閣議決定された「こども未来戦略」の「加速化プラン」などを踏まえ、虐待などで家庭などに居場所がないこども若者が、ニーズに合わせて必要な支援を受けられ、宿泊もできる安全な居場所を確保するため、こども家庭庁では今年度から「こども若者シェルター・相談支援事業」を創設した。
同検討会では今後、各都道府県などでこども若者シェルターの整備を進めるにあたって適切な運用ができるよう、▽親権などとの関係を踏まえた適切な対応の在り方▽こども若者のニーズに応じた必要な支援内容▽シェルターに入所中のこども若者の権利擁護━━などについて検討し、こども若者シェルターに関するガイドラインを策定していく。
今後の検討事項について、川村涼太郎委員(特定非営利活動法人おおいた子ども支援ネット)は「人材育成のところも検討事項に加えてほしい」と要望。阿部志臣委員(こどもシェルター退所者)は「シェルターに入所したものの、同じ入所者とトラブルを起こしてしまったり、脱走してしまったりするケースもある。そうした場合にどう対応するのかといった検討も、今後必要なのではないか」と話した。
また、馬渕泰至委員(社会福祉法人カリヨン子どもセンター理事)は「あまり強い理由がないものの、家庭に居づらい子もいる。シェルターの間口をどうするのか。虐待に限らないことも検討していくべきではないか」と提案した。