「あそび」を活用したウェルビーイングな学校づくり━━。埼玉県新座市立新堀小学校(若林寿校長、児童450人)でこのほど、(一社)あそび庁代表理事の小山亮二さんを講師に迎えた校内研修が行われた。教員らは海外のじゃんけんや、お手玉、紙テープなど身近なものを使ったさまざまなあそびを体験。あそびを活用しながら子どもたちの主体性をどのように引き出していくのかなどについて学び合った。
体育館に集まった同校の教員らは、まずじゃんけんでアイスブレイク。続いて、チョキの形と掛け声が日本と違うシンガポールのじゃんけんや、「井戸」の形が加わるフランスのじゃんけんに初めて挑戦。日本との違いに混乱しながら、大いに盛り上がった。小山さんは「いつものじゃんけんと少し違うだけで盛り上がる。また、ちょっとしたアレンジを経験することで、子どもたちも『あそびって自分たちでアレンジしていいんだ』というマインドになる」と、あそびのバリエーションを楽しむ効果について説明した。
続いて4人グループになり、大きな輪にした紙テープを制限時間内に何周させられるかをグループごとに競い合った。1回目の挑戦で一番多く回せたグループはどういうやり方をしていたのかを全員で見て参考にした後、再度、各グループで作戦会議。2回戦目、3回戦目はそれぞれのグループが試行錯誤し、大幅に記録を伸ばすグループが続出した。
こうして一緒にあそびながら「楽しい」「面白い」「気持ちいい」を体験した教員らには、より一層の一体感が生まれた様子。小山さんは「楽しさを感じる機会が増えると、活発な生活につながり、それがウェルビーイングの実現にもつながっていく」と話した。
子どもの主体性を引き出す関わり方として、小山さんは「褒める視点も、点数やできた・できないなどの、目で見て測れる『認知』の視点と、意欲や勇気、創意工夫やレジリエンス、忍耐力、協調力など、目で見て測れない『非認知』の視点がある」と説明。子ども一人一人に合った承認の仕方によって、より子どもの主体性を引き出せると強調した。
また、全国で展開するボードゲームカフェ「JELLY JELLY CAFE」と「あそび庁」が合同でボードゲームを同校の図書室に寄贈し、その贈呈式も行われた。世界中のボードゲームを目の前に、子どもたちは大喜び。若林校長は、子どもたちに「ボードゲームは図書室で使ったり、教室に貸し出したりして有効に使っていこう」と呼び掛けた。
寄贈されたボードゲームは、短時間ででき、低学年からでも遊べるものを多めにセレクトしていると「JELLY JELLY CAFE」代表の白坂翔さん。「最近、図書室にあまり行っていないな、という子にとっても良い機会になる。ぜひ、たくさんの子どもたちに楽しんでほしい」と笑顔であいさつした。