ふるさと津具で学び、たくましく生きる子どもの育成 ~生活科、総合的な学習の時間で育む~ 設楽町立津具小学校

ふるさと津具で学び、たくましく生きる子どもの育成 ~生活科、総合的な学習の時間で育む~ 設楽町立津具小学校
1年生活科:ヤギと仲良くなるために世話をする子どもの様子
【協賛企画】
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はじめに

 本校がある津具地区は緑豊かな自然、史跡・文化財、地域の特色を生かした産業、伝統的な祭りやそれらに関わる人々など、魅力的な地域素材が存在する地区である。

研究について

 本研究は、生活科、総合的な学習の時間を通して、ふるさと津具のひと・こと・ものに関わる学習活動を行う。

 まず、目指す子どもの姿を「たくましく生きる子ども」とし、具体的な4つの姿(「自己決定し行動」「粘り強く追究」「他者と協働」「成長を自覚」する子ども)を設定した。

 たくましく生きる子どもの育成に際して、子どもが夢中になる活動、興味をもって関わり満足する活動である「生成の体験」を、単元のさまざまな場面で設定する。そして、3つの仮説に基づいて実践を進めていく。

 ①「対象と出合い、願いをもつ」ふるさと津具のひと・こと・ものに関わる生成の体験を通して生まれた個々の子どもの思いを明確にすることで、願いを自覚し課題解決に向けて動き出すことができるであろう。

 ②「課題解決に向けた協働的な学び」課題解決への道筋を見いだし、他者と協働する機会を設ければ、思考を深めたり、新たなものの見方や考え方を身に付けたりすることができるであろう。

 ③「表現、自己評価」活動の過程や成果を表現し振り返る場を設定すれば、自らの成長を自覚することができるであろう。

実践の様子

 1年生は、「(学校で飼育している)ヤギと仲良くなりたい」という願いをもち、ヤギの飼育に取り組んだ。ヤギが好きな食べ物や体の洗い方などを調べて実行したり、地域に向けて飼育の協力を呼び掛けたり、ヤギに寄り添い粘り強く接するなかで、親しみと愛情をもつことができた。

 2年生は、「津具の人と関わり、おいしいものが食べたい」という願いをもち、地域の人々と交流した。野菜の栽培を教えてもらったり、収穫した作物を使って調理をしたりする中で、地域の人々に支えられていることに気付き、そこで学ぶ自分たちの成長を感じ取ることができた。

 3・4年生は、「津具を明るくしたい」という願いをもち、通所介護施設で高齢者との交流を行った。高齢者が喜ぶゲームづくりを目指して計画・準備を行う中で、相手や施設職員の感想をもとに、より楽しめるゲームになるよう互いに協力しながら改良を重ねていくことができた。

 5・6年生は、「創立50周年記念のオリジナルキーホルダーを作りたい」という願いをもち、津具小を表現するデザインづくりをした。本校の歴史や文化に向き合い、意見交換を重ねることで、自分の中で最も大切だと思える要素を決め、形にしていくことができた。

おわりに

 今後も、生成の体験を重視し、ふるさと津具で学ぶ活動が多くできるよう環境づくりを進める。また、子どもの願いを見つめ、それを実践に生かし「たくましく生きる子ども」の育成に努めたい。

 (文責・伊藤昭康校長、執筆・西陽子研究主任)

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