本市には、4校の特別支援学校と1校の分校、1校の高等特別支援学校があり、2023年5月1日現在、特別支援学級は839学級、通級指導教室は123教室あります。近年、特別支援学級や通級指導教室の増加に伴い、若手教員がそれらを担任・担当することが多い傾向にあります。
そのため、若手教員は先輩教員から知識や技術を伝承されることが難しい状況にあります。また、各学校園において、特別支援教育を推進するリーダーの育成も喫緊の課題です。
これらの課題に対して、障害のある子どもへの適切な指導と必要な支援につなげられるよう、本研究室では、本市教員育成指標に基づき、専門的な知識の習得やリーダーの育成を目指した研修を企画・運営しています。また、子どもへの指導・支援などでお困りの学校を支援する事業も行っています。
「新規 特別支援学校・特別支援学級・通級指導教室教員研修会」
異動などにより通常の学級の担任から新たに特別支援学校担任・特別支援学級担任・通級指導教室担当となった教員を対象にしています。個別の指導計画の作成に関わる講義や経験豊富な現職教員を講師とした教室参観などを通して、学級・教室経営や指導・支援について学びます。
「個別の指導・支援推進講座」
研修用に作成した個別の教育支援計画・個別の指導計画を基に事例検討を行い、障害のある子どもの理解と個別の指導・支援の在り方を学びます。経験豊富な現職教員や専門性の高い県立の特別支援学校の教員、臨床心理士らから助言を得られるようにします。
「発達障害のある子どもの理解と支援講座」
発達障害のある子どもの特性に応じた適切な支援について学ぶ本講座は、昨年度は約750人が受講し、受講者の約6割は通常の学級の担任でした。通常の学級における学習につまずきのある子どもの早期把握・早期支援をテーマに、読み書きの困難さについて学びます。
「特別支援教育コーディネーター研修会」
本研修では、インクルーシブ教育システムの構築に向けて、特別支援教育コーディネーターの役割と支援体制の整備、今日的な課題とその対応について、講義や演習、協議から学びます。
「特別支援教育推進講座」
本講座では、大学教員や医師らによる講義や演習を通して、各学校園においてインクルーシブ教育システムの構築のための特別支援教育を推進する上で必要な事例検討の行い方や保護者・家族支援、キャリア教育、合理的配慮などについて学びます。
「学校コンサルテーション」
子どもへの関わり方や支援体制整備などでお困りの学校園を訪問し、困り感の解消に向けて、関係する教職員と指導主事が具体的な方法を一緒に考えます。
このように、本研究室では、各学校園において特別支援教育を担う教員を支えるために、さまざまな取り組みをしています。今後も研修や学校支援事業を充実させ、子ども一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高められるような特別支援教育を推進する人材育成に努めていきます。