【全国学力調査】27年度から全教科でCBTに全面移行へ 文科省方針

【全国学力調査】27年度から全教科でCBTに全面移行へ 文科省方針
オンラインで開かれた合同会議=文科省YouTubeで取材
【協賛企画】
広 告

 全国学力・学習状況調査の在り方を検討している「全国的な学力調査に関する専門家会議」と「全国的な学力調査のCBT(コンピューター使用型調査、Computer Based Testing)化検討ワーキンググループ」の合同会議が7月8日、開かれ、文部科学省側から2027年度以降、小中学校ともに全教科で同省のCBTシステム「MEXCBT(メクビット)」を活用したCBTに全面移行する方針案が示された。各地の教育委員会や学校の意見を聞いた上で、秋ごろの正式決定を目指すとしている。

 全国学力調査のCBT化を巡っては、すでに25年度の中学校理科で導入する方針が示されており、今年4月の合同会議で26年度以降の具体的スケジュールもできるだけ早く示すことが求められていた。

 同日示された案によると、26年度は中学校調査のうち英語でCBTを導入する。英語の4技能のうち「聞くこと」「話すこと」をまとめて最大50分、「読むこと」「書くこと」をまとめて最大50分とする。英語のCBT化を先行することについて、文科省担当者は「英語は3年に1回程度の実施でデータ収集の機会が限られ、国語・数学よりも1回の調査でより多くのデータを収集できるCBTのメリットを生かすことができ、合理的と考えられる」などと説明した。

 そのうえで27年度以降は、中学校、小学校ともに全教科でCBTに全面移行する案が示された。小学校については、学校の状況によっては前倒しで対応できる地域もあるとみられるものの、全体として円滑に事故なく実施することが必要であるとともに、MEXCBTが未導入の小学校も一定数あることを踏まえ、「全体として統一的に取り組むのが最も混乱のない方法」との判断から、27年度の全面導入を目指す方針案を決めたという。

 CBTへの移行にあたっては、小学校・中学校とともに児童生徒や教師が端末を使った調査にスムーズに取り組めるよう、学力調査の前にサンプル問題を用意し、各学校ともMEXCBT上で取り組める環境を整備する方向で準備を進めることにしている。

 同省はこうした工程表の案を元に全国の教育委員会や学校から意見を聴取し、今年秋ごろに工程表を決定して全国的な目標として共有し、予算要求に反映させたいとしている。

広 告
広 告