学校図書館に電子書籍を試行導入 横浜市、過大規模校など9校

学校図書館に電子書籍を試行導入 横浜市、過大規模校など9校
協定を締結したポプラ社の加藤社長(左)と横浜市の下田教育長=提供:横浜市教育委員会
【協賛企画】
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 横浜市教育委員会はこのほど、読書機会の確保に困難さがある過大規模校の小中学校など9校で、学校図書館に電子書籍サービスを試行導入することを発表した。児童生徒の1人1台端末で4300冊以上の書籍が読めるポプラ社の電子書籍サービス「Yomokka!(よもっか!)」を利用し、7月から順次導入されている。

 ポプラ社の電子書籍サービス「Yomokka!」では、利用する児童生徒らにアカウントが提供され、それぞれがタブレット端末で電子書籍を読むことができる。同社では、多くの学校に同サービスを提供しており、自治体と連携している事例もあるが、学校図書館の充実を目的とした連携事業は初めてという。

 横浜市教委によると、31学級以上の過大規模校など児童生徒数が多い学校では、学級単位で学校図書館を活用する割合が少ない、児童生徒数に合わせて増える蔵書を限られたスペースに配架しきれないといった課題があった。電子書籍サービスを導入することで、蔵書、配架スペースの問題に対応できるほか、同じ本を多くの児童生徒が同時に読める利点があり、授業での活用方法も広がるという。同じ本をクラス全員で読んで感想を共有するといった活用方法も可能だと説明。本を使った調べ学習にも柔軟に対応できるとしている。

 今後、横浜市内の小学校7校、義務教育学校1校、中学校1校の計9校で試行導入し、児童生徒と教職員の約1万人が同サービスを利用。授業の中で有効に活用できるかといった課題について、教員らが効果を検証していく計画だ。

 ポプラ社によると、同サービスでは38社4300冊以上が読み放題となる(今年6月時点)。絵本から高校生向け書籍までそろえており、小中学校向けを中心に授業や調べ学習で活用できる書籍も充実させている。

 横浜市教委と同社は「子どもの読書活動支援に関する連携協定」を締結し、対象校の児童生徒や教職員への電子書籍サービスのアカウント発行と無償利用、サービス活用のための教職員への研修、サービス活用に関わる成果や課題の検証などについて連携していく。横浜市役所で7月3日、協定締結式があり、下田康晴教育長とポプラ社の加藤裕樹社長が出席し、協定を締結した。

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