教師になって1年目。学年主任から「トイレのスリッパの整頓は、学校の永遠の課題だ」と言われました。現在、6校目の学校に勤めていますが、学年主任からの言葉を否定できずにいます。
昨年度2学期の始業式。「自分たちの力で、学級や学校をつくろう」と呼び掛けました。子供の主体的な活動を支え認めることで、自己肯定感を高めるためです。すると、代表委員会が「トイレのスリッパ大作戦」を実施しました。休み時間に整頓状況を確認し、その様子を昼の放送で伝えていました。ちょっとした活動ですが、整頓状況は改善されました。教頭先生が「この学校に来て3年目になりますが、トイレのスリッパの整頓はいちばんいいです。ぜひ、子供を褒めてください」と打合せで話すのを聞いてうれしくなりました。
他の委員会も動き出しました。美化委員会はごみの分別がきちんとできるように、全ての紙用ごみ箱に分別の呼び掛けを兼ねたふたを取り付けました。生活委員会は、静かに一斉下校が進められるように「静かに」と書いたカードを持って昇降口に立ちました。整頓や分別などは、常日頃から教師が指導しています。しかし、今回の委員会のように、子供たちの働き掛けの方が、効果が高いことは言うまでもありません。子供の力の大きさを再認識しました。
新年度が始まり2か月。残念ながら、スリッパの整頓には少し不安を感じています。永遠の課題を解決するために、子供と共に学校をつくっていきたいです。
(清水孝治・岡崎市立六ツ美南部小学校長)