自民党の石破茂新総裁は、10月1日に発足させる新内閣で、文科相に衆議院議員で文科副大臣の阿部俊子氏、こども政策担当相に参議院議員の三原じゅん子氏を起用する方針を固めた。いずれも初入閣となる。石破氏は1日の臨時国会で首相に指名され、同日中に組閣する見通し。
文科相に内定した阿部俊子氏は衆院中国ブロック選出で当選6回、宮城県石巻市出身の65歳。東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科助教授や日本看護協会副会長を経て2005年に衆院選に自民党公認で立候補し、中国ブロックで初当選した。農水副大臣や外務副大臣、衆院外務委員長などを歴任し、昨年12月、第2次岸田第2次改造内閣で文科副大臣に就任、教育・スポーツ分野を担当している。
公式ホームページでは、政治を志した理由について、「日本の貧しい方々のための制度を変える」と記している。マニフェストとして、▽こども、若者が希望の持てる社会保障▽中山間地域の産業・医療・環境▽外交・安全保障政策の強化を打ち出し、具体的には遠隔授業の拡大、生涯を通じたリカレント教育、職業訓練、学習機会の拡大強化などを掲げている。趣味は読書、旅行、映画鑑賞、音楽鑑賞(オペラ、クラシック、ジャズ)。好きな言葉は、「希望は人を成功に導く」(ヘレン・ケラー)。
三原じゅん子氏は参院神奈川選挙区選出で当選3回、東京都出身の60歳。2010年の参院選で、比例代表で初当選し、16年、22年は神奈川選挙区で当選した。自民党女性局長、参院厚生労働委員長、厚生労働副大臣、内閣府大臣補佐官などを歴任し、現在、参院環境委員長を務めている。
俳優として、『3年B組金八先生』シリーズやNHK大河ドラマ『功名が辻』など多数のテレビ番組、映画に出演。歌手やレーシングドライバーとしても活躍した。自らもがんに苦しんだ経験から医療制度改革を訴えて政治家を目指し、芸能活動から引退した。主な政策テーマには不妊治療、児童虐待防止、がん対策を掲げている。