部活動の地域移行などを踏まえ、日本スポーツ協会(JSPO)は9月30日、スポーツ少年団と総合型地域スポーツクラブの連携体制の構築を目指す「地域スポーツ連携促進会議」の初会合を開いた。地域における子どものスポーツ環境を維持するため、JSPOでは段階的にスポーツ少年団と総合型地域スポーツクラブの連携を強化し、2030年度までに両者の登録制度の統合も視野に入れる。
人口減少や少子高齢化が進む中で、スポーツ少年団や総合型地域スポーツクラブは、活動場所の確保、担い手の人材不足、財源的困窮、中高生世代の会員不足など共通した課題を抱えている。部活動の地域移行が進む中で、子どもがスポーツをする場を維持していくために、JSPOでは30年度までに、スポーツ少年団と総合型地域スポーツクラブの既存の登録制度を統合し、「JSPO地域スポーツクラブ(仮)」として、両者が相互に連携し、多様なニーズに応えるスポーツ活動の提供や資源の共有によるスポーツ活動の充実につなげるイメージを描く。
その第一歩としてJSPOは連携促進会議を設置し、25年度までに連携促進のための具体的施策を検討。26年度以降、連携を拡大していく。連携促進会議の委員には、スポーツ少年団、総合型地域スポーツクラブの関係者のほか、学識経験者や部活動の地域移行に先進的に取り組む自治体関係者らも入っている。
座長に選出されたスポーツマネジメントが専門の松永敬子龍谷大学教授は「今日の会議では、登録制度の統合という話は議論に上がらなかった。そこだけが独り歩きすると関係者の間に誤解を招く恐れがある。登録制度の統合はあくまでもイメージだ。スポーツ少年団をなくしてしまうという議論ではない」と話し、今回の目的は各地域の状況を踏まえ、スポーツ少年団と総合型地域スポーツクラブが連携し、共通するさまざまな課題を解決していくための仕組みを検討することにあると強調した。