(こだま)新紙幣

(こだま)新紙幣
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 今年7月3日、20年ぶりに新紙幣が発行された。肖像が一新され、千円札は北里柴三郎、5千円札は津田梅子、1万円札は渋沢栄一の肖像が描かれている。この新紙幣には、新デザインだけでなく、偽造防止をはじめとする世界最高水準の先端技術が取り入れられている。

 紙幣はその肖像と共にそれぞれ時代に活用され、社会基盤となる役割を担って、今日も息づく。誰でも、いつでも、どこでも、安心して使える決済手段として、われわれの理解と円滑な緩やかな移行による新紙幣の導入によって、新しい社会への期待や希望が湧いてくる。これからの時代に向けて、この新紙幣を大いに歓迎したい。

 紙幣の社会基盤としての役割と同様に、教育においては、その基盤となる学習指導要領があり、その存在は羅針盤ともいえる。現学習指導要領の特徴として、初めて前文が掲げられ、教師のみならず、教育に関わる保護者、地域社会、子供たちのものとして位置付けられた。大きく変わっていく時代にあっても、子供を取り巻くすべての者が、学習指導要領により教育基盤がしっかりする中で、人格形成や社会性の育成に寄与するものと考える。

 新紙幣が発行されて2か月、人々は新紙幣を大切に手にする。新学習指導要領の場合が頭をよぎる。本来、過去・現在・未来の時間軸の中で、子供に必要な資質や能力が丁寧に議論されて、告示があり、周知されてスタートする。学習指導要領の新しさが混乱を招くようなことがあったり、地域間格差を生むようなことがあったりしてはならない。小学校英語、道徳の教科化が実施されている現学習指導要領も既に小学校は5年、中学校は4年が経とうとしている。スタート時には「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して(答申)」が出され、学習指導要領を後押しする形となった。常に学習指導要領の検証や議論は、日々手にする紙幣のように、学習指導要領に息づく学校現場や地域にあることを忘れてはならない。

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