【全国学力調査】 中学校理科のCBT化で全国説明会

【全国学力調査】 中学校理科のCBT化で全国説明会
全国学力調査における中学校理科のCBT化についての説明会=オンラインで取材
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 来年4月に実施される2025年度全国学力・学習状況調査の中学校理科で、初めてCBT(コンピューター使用型調査、Computer Based Testing)方式が導入されるのを前に、文部科学省は10月9日、都道府県教育委員会の担当者などを対象にした説明会をオンラインで実施した。この中で、今月中に中学校理科のサンプル問題を同省のCBT方式「MEXCBT(メクビット)」上に搭載するスケジュールなどを示し、実施に向けてネットワーク環境の確認や、生徒が正しく操作できるよう事前検証に向けて準備を進めてほしいと求めた。また、CBTで行う中学校理科と生徒質問調査については、不登校などの事情がある場合、後日に自宅など学校外で実施するのが可能であることも示された。

 来年度の全国学力・学習状況調査は、小学6年生と中学3年生の国語、算数・数学、理科のうち、中学校理科のみCBT方式で行われる。筆記方式の国語、算数・数学、小学校理科は4月17日に一斉に実施され、中学校理科はネットワークの負荷を軽減するために4月14~17日の4日間に分散して実施される。日時は自治体や学校の要望も考慮して決められる。

 今回の説明会は、中学校理科にCBT方式が導入されるのを前に都道府県教委や政令市教委の担当者を対象に開かれ、市町村教委や学校関係者などにもオンラインで公開された。初めに相原康人学力調査室長が「来年度の中学校理科を皮切りに、2027度には小中学校ともにCBT方式に全面移行する予定となっている。全国の学校で端末更新やネットワーク環境整備などさまざまな取り組みが進められる中、全国学力調査のCBT化も大きな変革の中で第一歩を踏み出すものであり、円滑な実施に向けて準備に取り組んでほしい」と呼び掛けた。

 中学校理科のCBT方式導入にあたっては、生徒ごとに異なる問題セットが割り当てられ、これまで正答率などをベースに分析していたものから、幅広い領域・内容で調査してより精緻に学力・学習状況を把握し、経年変化も分析できるIRT(項目反応理論)が活用される。このため学校や児童生徒に返却する結果の表示も変わり、学校には500を基準にしたスコアなど、生徒個人には5段階スコア(標準スコア3)とともに、4領域(エネルギー、粒子、生命、地球)ごとにABC3段階の結果が伝えられる。

 説明会では、担当者がCBT方式導入に伴う変更点とともに、各教委や学校で準備すべきことなどについて説明した。この中では、学校ネットワークの環境について国の補助制度もあるネットワークアセスメントなどを通じて確認するとともに、今月末に「MEXCBT」上に搭載するサンプル問題を活用して、生徒が正しく操作できるようになるよう事前検証を行ってほしいなどと説明した。

 また、実施日については、①4月14日~16日に中学校理科、17日に他教科を実施②4月17日に全教科を実施――の2つのパターンに分けられるが、これに加えてCBTで行う中学校理科と生徒質問調査については、不登校などの事情がある場合、4月18日以降に自宅など学校外で実施するのも可能とすることが示された。

 同省は12月に実施要領を策定して全国担当者会議で説明するとともに、来年1月に各校の実施希望日を調査するなどして、実施に向けて準備を進めることにしている。

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