(こだま)読書に適した季節

(こだま)読書に適した季節
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 「灯火親しむべし」と言われるように、一年の中で最も読書に適した季節を迎えている。

 小中学校では、朝読書の時間設定など、読書活動が推進されている。小学校で行われているボランティアさんや先生による読み聞かせは、読書の世界へのいざないとして、子供たちにとても楽しみにされている。中学生の朝読書は、短くても集中して読書に親しめ、読書の習慣付けにもなっている。

 子供の発達や興味・関心の広がりによって、出合う本も多種多様になっていく。一年間に約7万冊の本が出版される現在では、図書館司書をはじめ、本に関わる人たちの図書環境整備への不断の取組が、本との出合いの手助けとなり、感謝に堪えない。加えてGIGAスクール時代を迎えた今、電子図書の活用やオンライン授業などICTの活用によって、これまでよりも子供たちの読書が身近に、しかも多様になり、書物に親しむ機会が増えていくことが期待される。

 ある公益財団法人の小学校3年、5年、中学校2年を対象にしたアンケートによると、どの年代も7割から8割の子供たちが読書好きで、低い学年ほど絵本が多く読まれ、年代が上がると映画・ドラマ・アニメなどの原作やノベライズ、漫画などが広く読み親しまれている。子供たちは、発達段階の中で、自分の好みの本はもちろん、友人や家族、先生等身近な人たちとの会話の中でお薦めの本に触れるなど、さまざまな機会に恵まれるようになった。

 子供時代の読書の体験は、いつでも新鮮によみがえってくる。小学3年生の担任の先生の大好きな紙芝居で、ドイツの「シュバイツアー博士」の崇高な生き方への憧れ、小学5年生で読んだ「千本松原」では、輪中に暮らすの人々の生きざまと最後の場面での主人公とじいの絆の迫力、中学3年の「野菊の墓」の切ない思いや感動は今でも忘れられない。

 この秋、子供たちが出合う本1冊1冊をぜひ楽しんでもらいたい。

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