教職5年目に受講した国語科研修の修了式で「あなたはよく通る声をしていますね。もう少し『声』についての勉強をしてみませんか」と声を掛けられた。
自分の声にコンプレックスのあった私が、ちょっと浮かれ気分のまま軽い気持ちで参加した学習会で講演をされたのが高橋俊三先生であった。
高橋先生が講演の中で話された「言葉は声である。作者の声を受け止め、その声を聞き手に届ける。それが音読・朗読である」という本書にも記されているお言葉は、深く考えずに音読をさせていた当時の私を大きく揺さぶり、音声言語教育に関する実践研究を始めるきっかけとなった。
その数年後、私の拙い実践報告に対して「あなたが子供たちのためにチャレンジしたことに意義があるのですよ」という温かいお声を掛けていただいたことも強く心に残っている。
「声を届ける」ことにこだわり、音声言語教育の世界を切り開いた高橋先生の声と言葉は、この本と共に今の自分を支えている。
(井本孝男・名古屋市立上社小学校長)
江戸時代の教育学者、細井平洲の言葉に「人の子を教育するは菊好きの菊を作る様にはすまじく、百姓の菜大根を作る様にすべきこと」というものがある。菊好きは、理想的な好みの形を目指して育てる。百姓は形や大きさにかかわらず「おいしくなあれ」と育てる。最近は、自身が「菊好き」なのでは、と悩む先生たちによく出会う。菊好きから百姓への転換の難しさも、非常に多く見聞きする。
伝統的なカトリック系ミッションスクールだった宇都宮海星女子学院中学・高校は、2023年度に星の杜中学・高校として生まれ変わった。世界10都市以上で海外留学を経験できる制度の導入など積極的にグローバル教育に取り組み、入学希望者も年々増加するなど注目を集めている。また、24年度には全国の私立中学・高校12校とコンソーシアムを立ち上げ、国内留学などの連携も始めた。これらの施策を推進する小野田一樹校長に、学校改革の現状や、私学を中心としたこれからの学校教育の在り方などを聞いた。
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