教員不足などの影響で、教職員が産休・育休を取得する場合に代替教員を確保することが難しくなっている中、政府は来年4月から代替教員が正規の教員である場合も国庫負担の対象とすることを決め、12月17日の閣議で政令の一部改正を決定した。現行制度では産休・育休の代替は臨時講師に限定されており、阿部俊子文科相は閣議後会見で、「教師不足を解消する一助になるととともに、教師の皆さまが産休や育休を安心して取得できるようになり、働きやすい職場環境となる効果が期待される」と述べた。
教職員が年度途中に産休・育休を取得する場合、現行の制度では国庫負担の対象となる代替教員は臨時講師に限定されている。しかし、学校現場では教員の世代交代が進んで産休・育休を取得する教員が増える一方、大量退職に伴う採用数の増加などで臨時講師が減っており、代替教員の確保が深刻な課題となっている。このため全国知事会などから、国庫補助の対象を正規教員にも広げてほしいと求める声が文部科学省に寄せられていた。
こうした状況を受けて、同省は臨時講師に限定されている国庫負担の対象に正規教職員も含める制度改正を行うことを決め、必要な政令の一部改正が同日、閣議決定された。来年4月から施行される。
閣議決定を受けて阿部文科相は会見で、「今回の改正で、産休や育休を取得する教師の代替者の安定的な確保が可能になるとともに、教師不足を解消する一助になり、何よりも教師の皆さまが産休や育休を安心して取得できるようになり、働きやすい職場環境となる効果が期待される」と述べた。
さらに例年、教員不足が年度途中に進んでいる状況を解消する効果が期待できるとした上で、「この改正内容を周知するとともに、改正を踏まえて計画的な正規職員の採用の対応を促していきたい」と述べ、教員を取り巻く環境の整備に取り組む意向を示した。