「新年度の先生が39人足りません」 鹿児島県が異例の募集

「新年度の先生が39人足りません」 鹿児島県が異例の募集
臨時的任用教員の緊急募集のために鹿児島県教委が開設した特設ページ
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 新年度の先生が39人足りません――。全国的に深刻な「教員不足」が続く中、鹿児島県教育委員会は、産休・育休取得者などの代役を務める「臨時的任用教員」について、直近の不足人数を広く知らせる形での「異例」の募集活動を展開している。県教委教職員課の担当者は「教員の確保が難しくなっていることに相当な危機感を持っている。こうした現状について広く県民に知ってもらい、潜在的な免許保有者を掘り起こしたかった」と話す。

 「【緊急募集】臨時的任用教員(講師)採用情報」

 こんなタイトルの特設ページが鹿児島県教委の公式ウェブサイトに立ち上がったのは3月8日。小学校、中学校、高校、特別支援学校の校種ごとに募集人数を示し、「教員免許をお持ちの方、その資格を生かして働いてみませんか」と呼び掛けている。不足している教科や校種と免許保有者のマッチングが特に難しい大隅地区と離島地域を重点エリアと位置付けて募集しているのも特徴だ。

 臨時的任用教員の担い手は鹿児島県に限らず、全国的に不足している。このため、各教育委員会ともに募集活動に力を入れているが、文部科学省教育人材政策課によると、「人数を明らかにして募集するケースは聞いたことがない」という。

 県教委によると、特設ページを作った時点では県内全域で約2000人の教員が不足していたが、3月29日現在では39人まで減少した。減った分の多くは、今年度教壇に立っていた臨時的任用教員の契約更新が決まったことによるもの。ただ、特設ページを見て問い合わせてきた免許保有者もいたという。

 新年度の始業日は迫っており、それまでに全ての欠員が補充できるかどうかは予断を許さない状況だ。担当者は「何とか始業日までに体制を整えたい」と話す。

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