友達との距離感に悩み 三原担当相、こどもの声聴く団体と意見交換

友達との距離感に悩み 三原担当相、こどもの声聴く団体と意見交換
意見交換会であいさつをする三原担当相=撮影:松井聡美
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 こどもが悩みや不安を打ち明けやすい環境整備を進めているこども家庭庁で12月23日、こどもの悩みを受け止める活動を行っている自治体や事業者と三原じゅん子こども政策担当相との意見交換会が行われた。事業者の報告からは、友達との距離感に悩んだり、コミュニケーションに不安を抱えたりしているこどもが増えていることが浮かび上がった。

 こども家庭庁では、いじめ問題の深刻化や不登校児童生徒の増加を受け、こどもが悩みや不安を打ち明けやすい環境整備に向けて、職員31人で構成する「こどもの悩みを受け止める場に関するプロジェクトチーム(PT)」を11月に発足。今回の意見交換会には、三原担当相と同PTのメンバーが参加し、NPO法人チャイルドライン支援センターと名古屋市子ども・若者総合相談センターから、それぞれの取り組みについて説明を受けた。

 NPO法人チャイルドライン支援センターは、全国70団体が電話やチャットでこどもたちの声を聴いている。こどもたちがチャイルドラインにつながった動機は「話を聴いてほしい」が81%、「誰かとつながっていたい」が4%と、85%のこどもたちが話し相手を求めていたことが分かっている。

 チャイルドライン支援センターの担当者は「こどもたちは心配をかけたくないから、親には言いたくないし、否定されるのが分かっているから相談できない。加えて、友達や先生、学校にばれないかを心配している。第三者の知らない人だからこそ話せることがある」と話した。

 これまでの活動の中で見える子どもの状況として、▽さまざまな不安を抱えている▽自分の存在そのものを肯定できない▽多様性が認められていない▽聴いてもらえていない▽距離の取り方やコミュニケーションが苦手なこどもたちが増えている――などが見えてきているとした。

 その上で「こどもたちには、安心して話せる環境がないし、信頼できる大人、味方になって話を聴いてくれる存在がいない。どこにつながったらいいのかが分かりにくいという課題もあるのではないか」と指摘し、「こどもが生きていこうと思える社会であるためには、普段からこどもの様子を受け止め、関係性をつくること、そしてこどもの気持ちに目を向け、耳を傾けること、否定せずに最後まで聴く姿勢をもつことが必要だ」と述べた。

 こうした報告に対し、三原担当相は「コロナ禍やSNSの登場などで、こどもたちを取り巻く社会が変化してきている。最近、特にこどもたちが苦しんでいることがあれば、教えてほしい」と質問。

 チャイルドライン支援センターの担当者は「友達との距離感をうまくつかめなくなっている子が多いと感じる。また、SNSなどの登場で、自分の好きな世界にはまってしまうと、それ以外に共感することが難しい子が増えてきている。こども同士でも安全に話せる場が少ないのではないか」と話した。

 三原担当相は「こどもたちと雑談できる関係性をつくること、また、こどもたちが最後まで不安や悩みを言い切れる、そして大人側が最後まで話を聴いてあげることが何より大切なのだということがよく分かった。私自身もどこまで何ができるのかを探りながら、皆さまの力を貸していただきながら、しっかり頑張っていきたい」と力を込めた。

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