本校は「プロジェクト型」学習を取り入れて研究を進めている。本校のプロジェクト型学習は次のようなプロセスで進めていく。
(1)テーマに関わる内容に触れる→(2)課題とゴールの設定→(3)課題解決のための企画書作成→(4)探究活動→(5)学習の振り返り→(6)成果の発表
課題を解決するゴールを、子供自らが設定することにより、また、子供自身がゴールを決めることで、プロジェクトが自分ごととなり、子供の主体的な取り組みを引き出すことができると考えた。
生活科(秋となかよし)
近隣の保育所3園を招待して、1年生が秋の自然物を利用した、おもちゃで遊ぶ「秋祭り」の活動を行った。
触れる活動では、近隣の公園に名東自然クラブの方々の助けを借りて「秋の自然物」を探しに行った。その後、けん玉やマラカスを作って楽しんだ。後日、教師が「作ったものでどうしたい」と問い掛けると、遊びのお店を開きたいという声が上がり、対象を就学前の年長に定め計画することにした。
教師から「年長の子がどんな気持ちになるといいかな」と問い掛けると、「楽しかった」や「またやりたい」との気持ちになるといいと各個人がゴールを設定していった。子供がお店のための企画書を作成した。発達段階を考慮し、企画書は準備物や行う手順を選択するものにした。また、どんな力が伸びたかを意識しながら取り組めるように企画書に盛り込んだ。
子供は年長の園児を意識しながら、企画していった。ある子供は説明のための紙に文字を極力使わないようにしたり、またある子供は、松ぼっくりのけん玉のひもの長さを数種類用意し、園児に選んでもらうようにしたりしていた。
秋祭りは大成功に終わり、園児、本校の子供とも、満足した様子だった。
総合的な学習の時間(私たちの福祉~幸せな学校と地域づくり)
本校は近隣にある交流校小学部(以下交流校)の子供と交流活動を行っている。
触れる活動では、交流校の教師をお招きし、交流校の子供の様子をお話しいただいた。その後、交流会を交流校の教師主導で行ってもらった。楽しかった経験をした本校の子供は、今度は自分たちが主催して交流会を計画することにした。教師から「交流校の子がどんな気持ちになる交流会がいいのかな」と問うと、各グループで考え、ゴールに設定していった。あるグループは「私もできたや、一緒にできたと交流校の子に思ってもらえること」をゴールに設定していた。
ゴールに向かって交流会を企画する子供は次のような工夫をした。
〇ペットボトルボーリングを企画したグループは、大きな音に敏感な子のために、音が小さく散らばらないようにピンを段ボールに変更。
〇しっぽ取りゲームを企画したグループは、相手の子がキラキラしたものに強い興味をもっていたため、しっぽをキラキラテープに変更。
11月末の交流会では全てのグループがゴールに到達できていた。
(文責・小出辰夫校長、執筆・山内彰一教頭)