県教育委員会では、県内の教職員の日頃の研究と実践の成果を広く募り、優れた研究・実践を普及・還元することで教職員のさらなる資質向上に役立て、学校教育の充実を図ることを目的に、2022年度から「あいち教育賞」を実施している。24年度は、個人と共同の2部門を、豊かな学びを引き出す教育活動をまとめた実践研究部門(学びのフロンティア)と、教育理論に基づいて考察した教育研究論文部門へと改編した。
今年度189点(実践研究部門 27点、教育研究論文部門 162点)の応募があり、審査の結果、澤慎二郎(常滑・青海中)、石原佳奈(蒲郡・塩津中)の最優秀賞他、優秀賞6点・佳作12点を決定した。最優秀・優秀作品は、2月発刊の『<あいち教育賞>研究・実践集』(愛知県教育振興会編)に掲載される。
昨年12月20日、県庁西庁舎教育委員会室において、「第3回あいち教育賞表彰式」が行われ、出席した最優秀賞・優秀賞受賞者に対して、飯田靖県教育長から「賞状」、久野賢二愛知県教育振興会常務理事から「副賞」が授与された。
飯田県教育長のあいさつの後、審査委員長を務めた山脇正成愛知県総合教育センター所長が、最優秀・優秀作品について、論述内容と高評価に至った根拠を講評した。
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最優秀賞、優秀賞、佳作の受賞者とテーマは以下のとおりである。―敬称略―
〇最優秀賞1点
▼澤慎二郎(常滑・青海中)=社会に関心を向け、課題を追究する児童の育成
―小学5年社会科「日本の産業」における「理想の街づくり」を通して―
〇優秀賞3点
▼谷村公基(刈谷・住吉小)=自ら問題意識をもって追究し、関わり合いを通して、深く考える子の育成
―3年社会「たくさんのお客さんが集まるスーパーマーケットのヒミツを調べたい」の実践を通して―
▼高橋浩司(蒲郡・三谷小)=思いや願いの実現に向けて主体的に取り組み、人と関わることのよさを感じる子の育成
―年長児との互恵性のある交流活動を通して―
▼田中琢斗(愛知県立犬山総合高)=スクールポリシーに基づいて生徒の主体的・対話的な学びと探究心を刺激し、「学びに共感と責任をもつ」生徒の育成を目指す実践
―高2論理国語「『具体と抽象』の重要性と必要性を1年生に伝える授業を行おう」の実践から―
〇佳作6点
▼水野達哉(江南・藤里小)=安心感のある学びにより、基礎的な言語スキル(話す・聞く・読む・書く)を身に付ける児童の育成
―言語通級指導教室の実践を通して―
▼あま市立伊福小学校 =おもいをもち、主体的に制作に取り組む児童の育成
―深い学びを促す対話的活動を通して―
▼関川花音(豊田・萩野小)=想像力をはたらかせながら、文脈に沿って自分の思いや考えを伝えることができる子の育成
―2年 国語科「つくろう!せかいに一つの紙しばい」の実践を通して―
▼山本治加(幸田・中央小)=いきいきと学習に取り組み、物語をじっくり読みすすめ、友達に考えを伝える子の育成
―1年国語科「サラダでげんき」の実践を通して―
▼宮川勇人(常滑・青海中)=ふるさと常滑を愛し、地域社会を担う生徒の育成
―常滑市総合計画を活用した「主体的な学び」を通して―
〇最優秀賞1点
▼石原佳奈(蒲郡・塩津中)=伝え合い、自ら考える国語の授業
―小6・国語科「物語から自分の生き方について考えよう~海のいのち~」の実践を通して―
○優秀賞3点
▼陶山公紀(春日井・勝川小)=社会的事象に向き合い、多面的・多角的に捉えながら考え抜くことで深い学びを実現できる児童の育成
―一人一台端末を効果的に活用した歴史の授業実践を通して―
▼杉浦碩恭(刈谷・刈谷南中)=社会的な見方・考え方を働かせ、他者と共に学びを深める生徒の育成
―1年社会科「井ケ谷古窯がつなぐ 刈谷と日本」の実践を通して―
▼山本伸樹(豊橋・牟呂中)=目的意識をもって現象を主体的に追究し、根拠をもとに科学的に考察し、他者と関わり合い考えを深める生徒の育成
―1年理科「目で見たものは本当なの?~光の性質~」の実践を通して―
○佳作6点
▼酒井秀彰(稲沢・大塚小)=生涯にわたる豊かなスポーツライフに向けた基盤づくり
―運動に親しみ主体的に体力向上に取り組む生徒の育成―
▼長岡栄江(稲沢・丸甲小)=主体的に学習活動に取り組み、「書くこと」の能力を身に付ける児童の育成
―特別支援学級における自己効力感を高める国語科の記述指導を通して―
▼廣井秀幸(大口・大口南小)=特別支援学級における数概念の理解を深める算数科指導
―授業導入時におけるサビタイジングの継続指導の実践を通して―
▼杉本智恵(岡崎・生平小)=身近な環境に主体的に関わり、よりよい環境について考え、行動できる子供の育成
―3年 総合的な学習の時間「セキレイのすむ町 すてきな生平」の実践を通して―
▼加藤周司(碧南・新川小)=社会的な見方や考え方を働かせ、仲間とともによりよい社会づくりへの参画をめざす社会科の授業
―4年社会科「地域の発展に尽くした先人たち~新川学区はなかった!?岡本八右衛門から始まる新川学区今昔物語~」の実践より―
▼砂子麻紀(刈谷・富士松南小)=音に対して自分の思いをもち、表現することを楽しむ子どもの育成を目指して
―1年「がっきとなかよくなろう」・「ようすをおもいうかべよう」の実践を通して―