【愛知県総合教育センター情報】第64回愛知県総合教育センター研究発表会(オンライン開催) 子供たちの可能性を引き出す『令和の日本型学校教育』の学びの在り方(2年次)

【愛知県総合教育センター情報】第64回愛知県総合教育センター研究発表会(オンライン開催) 子供たちの可能性を引き出す『令和の日本型学校教育』の学びの在り方(2年次)
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 愛知県総合教育センターでは、昨年11月29日(金)に、第64回愛知県総合教育センター研究発表会を開催した。

 テーマを「子供たちの可能性を引き出す『令和の日本型学校教育』の学びの在り方」とし、名古屋大学大学院教育発達科学研究科教授並びに名古屋大学教育学部附属中・高校長の柴田好章氏から「納得感や充実感のある協働的な学びを求めて~子供一人一人の学びを最大限に引き出す教師集団の在り方~」と題して講演があった。

 柴田氏からは冒頭、講演内容を「山登り」に例え、目標は頂上であるが、目標を達成するまでに、「共に学び」「分かる喜び」「できる喜び」を一人一人の子供が味わえるようにしていく必要がある。そのために実践をする。それが登山、いわゆる山登りに行くということになる。そして、その登山を行うためには事前の準備や工夫や計画などが必要なように、やはりその後実践するためには研究が必要ということになるとの話があった。以下に講演の内容を紹介する。

何を目指すのか?

 納得感や充実感のある学び、つまり「なるほど」「そうか」「今日、学校に来てよかった」などと思えること。そして、協働的な学び、つまり「今、ここにいる、私たちの学び」、いわゆる関わり合いや学び合いの中で「分かる喜び」「できる喜び」など、自分たちの学びをよりよくしていこうという、良き学び手としての責任を自覚することである。子供たち自身が、誰かに押し付けられるのではなく、誰かから見捨てられることなく、このような責任、つまり学びを目指すことが大切である。

なぜ目指すのか

 本質的な課題として、子供が問いたいと願う問いと出会い、自ら選択した責任ある学びを展開していくことが必要になる。AIが発達し、人間にとって代わるようになったとしても、実際に生きている私たちが生きがいを持つためには、「学ぶっていいなあ」と感じることが大切である。元々、学ぶということ自体に普遍的な価値があり、学ぶことの中に価値が内在している。その価値を大切にするコミュニティーの中で、価値や希望が育まれる。そのことが、「なぜ今、私たちが納得感や充実感のある協働的な学びを目指していかなければならないのか」ということの背景にあり、私たちがこのことを捉えた上で目指していきたい。

 「協働的な学びが大切、個別最適な学びが大切」と言われることを理由に教師が取り組んでいるのであれば、それ自体は教師の主体的な取り組みではなく、言われているからやっているだけに過ぎなくなってしまう。今転換しなければならないのは、「教師にさせられる学び」を「子供がやりたくなる学び」にすることである。だからこそ、教師自身がさせられているようでは、目の前の子供たちに対しても何かをさせる教師になってしまいかねない。目指すべきことは、子供自身が何かに納得して進んでいくことである。故に私たち自身の心の在り様がとても重要になる。

そのためにどうするか?

〈子供の学びを引き出す〉

 「させる」から「したくなる」、「持ち帰り」から「持ち寄り」へ。そのためには、選択・決定・責任を子供に委ねることが必要である。あらゆる授業で探究心を育て、教師が子供の問いを誘発する発問をするように働き掛けることが大切となる。

〈教育実践を支える〉

 リフレクション(省察)とコラボレーション(同僚性)は授業研究の鍵となる。授業研究は未知への挑戦である。教師は子供理解に基づいて授業改善に努め、成長する。授業は「子供同士の学び合い」であり、授業研究は「教師同士の学び合い」である。子供の姿を基にして、教師同士が学び合っていくことが今求められている。

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