本校では、2024・25年度田原市研究委嘱を受け、自己効力感の向上を課題と捉えて、教育実践に取り組んでいます。「できるよ」「できそう」「できるよ」「できたじゃん」という4つの言葉掛けを大切にし、全教室に掲示をしています。「成功体験」「モデリング」「言語的説得」「生理的・情動的状態」という自己効力感向上ための先行要因として、授業を含む活動全般で、学校全体で取り組んでいます。
研究発表会を終えた昨年11月下旬、2年生が生き方講演会を行いました。講師の一人である地元の自動車製造業の担当者さまからの話の中で、職場でのチームワークについて、ボートレース競技を例に挙げた場面がありました。
「力の強い選手が全力でこげば、ボートは真っすぐには進まない。漕ぐ力が弱い選手に合わせると遅くなる。ものづくりも同じで、効率のよさが求められる。職場でもさまざまな能力を持った人たちがいて、良好なコミュニケーションや雰囲気、態度がとても大切である。教室に掲示してある4つの言葉は、すごくすてきな言葉ですね」
勝手ながら、社会性が身に付く生きる力の育成と捉え、私の自己肯定感の向上を感じました。
研究の成果として、テーマの影響か、本校職員が以前にも増して、何事にも主体的に取り組むようになりました。何より、「スモールステップを取り入れる」「よき手本を示す」「言葉で褒める」「やる気を出す・盛り上げる」といった当たり前の授業での手だてが、無駄ではなく、令和の教育においても有効なことが、大変うれしく感じます。
(古越俊光・田原市立赤羽根中学校長)