本校は、努力目標「笑顔あふれるTEAM前津~自ら考え 自ら学び 自ら行動~」を掲げ、自律して学び続ける生徒(自ら考え、自ら学び、自ら行動できる生徒)の育成を進めるとともに、他者との関わりや対話を重視する活動を通して、「笑顔があふれる、みんなでわくわくする学校」を目指し、「育てたい8つのちから」を踏まえたキャリア教育を軸に教育活動を行っている。
育てたい力をキャリア教育における基礎的・汎用的能力を踏まえて、生徒アンケートや日頃の様子、職員からの聞き取りによって整理し、キャリア教育含め、全ての教育活動でどのような力を付けさせたいか明確にした。8つのちからに3項目ずつ具体的な姿を設定し、生徒にはアイコンでも提示している。
(例)おもいやるちから…「自分の好きなことを見付けることができる」「自分の課題を見付けることができる」「自分らしい生き方を見付けることができる」
総合的な学習の時間で、異学年で構成されたグループで「ナゴヤをずっと住みたい町にするためには」というテーマの下、「○○にとって、△△だったら、ナゴヤはずっと住みたい町になるはずだ」といった形で仮説を立てた上で連携企業を選んだ。その後、フィールドワークを通して、各企業で発見したリソースを生かした企画をグループで考えた。キャリアコンサルタントを講師として招き、各グループの企画について講評してもらうなどして、企画を練り上げていき、最後に地域の一員である保護者の方々に発表した。生徒たちは、地域に目を向け、自分には何ができるか考えることができた。
また、特別支援学級では、本学区にある大須商店街へのフィールドワークで気付いた疑問を大須商店街連盟の方にインタビューをすることで解決し、もっと大須商店街を知ってほしいという願いを込めたポスターを制作するなど地域社会と連携した取り組みを行った。
多面的・多角的に自己を確認し客観視したり、自分らしい生き方について考えたりして、自分の進路を広い視野を持って設計できるようなキャリアシートを作成した。本年度は4月に心ひかれる人を設定し、その人が中学生だったらどんな行動をしているかを考え、そこから自身の行動目標を決めさせた。振り返りと次の行動目標の設定を繰り返し行い、年間を通した成長を意識できるようにした。また、シートの記述に対して、学年の先生、保護者、キャリアナビゲーターがコメントを書いて他者から価値付けしてもらうことで自分自身の行動に意味付けできるようにしている。
本校では、上記実践に加えてナゴヤ・スクール・イノベーションの「つながるプロジェクト」として、中学校ブロックで9年間を見通したキャリア教育を行っており、系統性を意識した教育活動に加え、児童生徒や教員同士の交流も行っている。今後も、実践を重ね、笑顔あふれるTEAM前津ブロックを作っていきたい。
(文責・藤本一人校長、執筆・阪野史裕教務主任)