楽しく豊かな生活を創造しようとする子どもの育成~関わりの中で、つくりだす喜びを味わえる造形活動を通して~ 津島市立高台寺小学校

楽しく豊かな生活を創造しようとする子どもの育成~関わりの中で、つくりだす喜びを味わえる造形活動を通して~ 津島市立高台寺小学校
対話活動をする様子
【協賛企画】
広 告

研究主題の設定

 本校は、海部地方教育事務協議会より2022年度から研究委嘱を受けた。現代は未来予測が困難な時代を迎えており、このような時代を生きる児童には、「主体的に学び、自分なりに試行錯誤し、他者と協働して新たな価値を生み出す力」が必要だと考えた。そして、そのような力を育むには、正解が限定されず、表現方法を工夫できる図画工作科が適しているのではないかと考え、「楽しく豊かな生活を創造しようとする子どもの育成」を研究主題として取り組んだ。

研究の概要

 「楽しく豊かな生活を創造しようとする子ども」を育成するには、まず、造形活動のさまざまな場面で、意図的に関わり合う対話活動を取り入れることを通して、試行錯誤しながらもおもいを広げ、こだわりや自信をもって表現を工夫する子どもを育てたいと考えた。そして、作品を作り終わってよしとせず、展示場所や展示方法、作品の鑑賞の仕方などをも考える場を設けることを通して、生活の中でも学びを生かし、つくりだしたものを日常で楽しめる子どもを育てたいと考えた。そこで、本研究の副題を「関わりの中で、つくりだす喜びを味わえる造形活動を通して」と定め、次に記す手だてを実践した。

対話活動を取り入れた中間鑑賞

 対話活動を円滑に進めるための型を作成した。そして、その型を用いて、中間鑑賞を行った。児童は次第に型から離れ、視点や観点に応じた対話ができるようになっていった。それにつれて、中間鑑賞で得たアドバイスを取捨選択し、作品製作に反映することができるようになっていった。

題材関連表や授業プランの作成

 教師が題材のつながりを意識することで、児童が身に付ける技能などに連続性が生まれ、学びが深まると考え、題材関連表を作成した。この表は、技能や用具のみならず、学年間の題材や他教科との関連も分かるように作成した。また、題材の関連や題材全体が見渡せる授業プランを作成し、実践に生かした。

展示の工夫

 作品を製作する際、完成作品をどのように見せ、作品に込めたおもいをどのように伝えたいかを児童に考えさせた。その結果、作品が校内の至る所にあふれ、日常的に児童の目を楽しませることとなった。この環境は、児童の創作意欲を刺激し、主体的に製作に取り組むよい契機となった。

全校で表現や鑑賞を楽しむ

 作品を鑑賞する際に、異学年交流班で鑑賞活動を行う機会を多く設定した。児童は、他学年に助言や賞賛の言葉をもらうことで、自分の作品を誇らしく思ったり、次回作への意欲を高めたりしていた。また、この班で共同製作も行った。高学年が学んだ技法を生かして低学年の考えを引き出したり、見立ての違いを楽しみながら製作したりする姿が随所で見られた。

(文責・濵島達代校長)

広 告
広 告